2018.06.12 Tuesday

豊福知徳展開催中です!

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    豊福知徳展開催中です。

    大作「光の探求'85」を含む1970年代~90年代の木彫8点の他、ブロンズ、ドローイング作品を展示しています。

    特徴的な楕円形の穴が穿たれた作品は、一目で世界の豊福による作品と分かり、美術館収蔵作品やパブリックの作品を見たと、お客様からお声をいただきます。

     

     

    豊福知徳先生は、1960年に<漂流>シリーズの一点によって高村光太郎賞を受賞し、同シリーズによってヴェネツィア・ビエンナーレに出品されました。

    この時、ミラノの画廊が個展を提案してきたことや、木彫の大作が3点も売れたこともあり、35歳であった彫刻家に、無謀にも言語や習慣の違う彼の地での滞在を決意させました。

    そうして40年余りもの間、ミラノにアトリエを構え活動を続け、作品は今なお国際的に高く評価されています。(※現在は福岡在住)

     

     

    「この穴は何を表現しているんでしょうか?」

     

    とお客様に尋ねられることもあります。

    「彫刻の美を語るのは、薫香について語るようにむづかしい。」とは、彫刻家にして詩人である高村光太郎の言葉。

    画集にある、豊福先生の文章を引用しましょう。

     

    丸鑿で一面に凹みをつけたあと、ふと思いついて裏側から又同じような凹みを彫ってみた。すると、表と裏からの凹みの接点にぽっかりと穴があいた。この偶然の空間的効果にぼくは眼を瞠った。今日までいろんな人から、どの様にして穴というテーマを作り出したかと聞かれるが、偶然に近いこんな試作から生まれたものである。

     

     

    豊福先生は、原則として、機械の力をほとんど使わなかったそうです。「光の探求’85」と題されたこの大作は、体力的にも技術的にも限界を極めたものと語られています。そして、この作品を「虚実空間探求の一つ」と位置づけています。穴が開いているところは、虚となりますが、その虚が作り出す空間もまた、実を成す形となります。「虚と実の空間の入り組んだ状態の面白さを何度も繰り返し試みて来た。」とあるように、生涯にわたって向き合うテーマとなっていました。

     

     

    「光の探求’85」が作る影。お客様の中には、「影が綺麗ですね!」と感嘆の声が上がることもございます。

     

    豊福先生は、久留米のご出身で、青年時代は国文学を志していました。1944年、学徒出陣で特別攻撃隊を志願するも、燃料不足などから飛び立つことなく終戦を迎えたのだそうです。

    敗戦という現実は、当時20歳であった青年にとって言いようのない打撃で、それまであった願望や意思が跡かたなく崩れ去ったように感じられました。

    成すすべもなく日々を過ごしていたある日、彫刻をやってみるよう勧めたのは、禅寺のお坊さんだったそうです。

    そうして弟子入りしたのが、大宰府の冨永朝堂その人でした。明治から大正にかけて、高村光雲の流れを汲む伝統的な木彫家で、その当時充実期にあった師は「木の中に棲むような木彫家」と評されていました。

     

     

    長くミラノで制作しながらも、東洋的な造形が現れてくるのも頷けるところです。人物に施された文様は、仏像やギリシャ彫刻の衣装にも見え、それらを超越するかのような淡いを感じさせます。1991年の人物を模した作品にも、胴のところに楕円の穴があけられており、「具象の形の中に僕の三十年に亘った抽象のテーマを盛り込むという、至難の試みの手はじめであった。」と語られています。

     

     

    ちょっと変ったところでは、「やじろべえ」という名の通り、絶妙なバランスでゆらゆらと動く作品も展示しております。

    豊福作品の要素を完璧に収めたブロンズの小品や、デッサンもご覧いただけます。

     

    7月1日までとなっております。久留米が生んだ偉大な彫刻家の軌跡を、是非ともご覧ください。

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    2018.06.02 Saturday

    西洋名画コレクション展 

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      みぞえ画廊創業10周年記念

        〈 西洋名画コレクション展 〉その2

       

      今日は版画作品のご紹介をします。まずピカソ。

      リトグラフ、銅版画、リノカット、3種類の技法を比較してご覧になれます。

       

        

       

      エッチング〈脚を曲げる裸婦〉1931年 「スウィート・ヴォラール」100点の連作より

      リトグラフ〈花のコサージュの女性〉1957年 2番目の妻ジャクリーヌを描いた1

      リノカット〈ダンサー〉1965年 

       

      浮世絵のような木版画は、図柄に合わせて何枚もの版木を彫り、1枚の紙を版木に置いて

      刷り、次の版木に置いて刷り、という工程を繰り返して色を重ねていきます。

       

      リノカットは、リノリウム板を彫って刷る技法です。

      マチスやミロもリノリウムを使って制作しましたが1色1版の版画でした。

      ところがピカソは、リノリウムを彫って1色刷る、更にその版を彫って別の色を刷る、と

      いうことを繰り返し、リノリウム1枚しか使わずに多色刷りして制作しました。

      刷り上がりの最終図版を思い描き、逆の順番で最初から彫っていく、というピカソ独特の

      方法を編み出したのです。

       

      〈帽子を被る女性の胸像〉〈ランプの下の静物〉などピカソはリノカット多色刷りの

      素晴らしい作品を残しています。いつかどこかで目に留められることがあるかもしれ

      ません。

             

       

      1958年頃からピカソは南フランスに移り、それまで制作していたムルロー版画工房での

      リトグラフ制作が難しくなります。ちょうどその頃に出会ったのが若い印刷工アルネラ

      でした。リノリウムを彫ると翌朝には刷りあがっている、その速さに喜んだピカソは

      リノカットに夢中になった、と書かれている本を読んだことがあります。

       

       

      版画紙面の右上に数字が入っています。

      ピカソが初めて版画制作を試みた時、刷り上がった作品を見て「数字がさかさまだ!」と

      驚いたのだそうです。版画は描いたものが左右反転して刷り上がることを想像してい

      かったのです。それでも気にせず制作年を書き込んだので、さかさまの制作年がよく

      見られます。これは19571217日に制作したジャクリーヌの横顔です。

       

       

       

      マティス「十人の踊り子シリーズ」の中の1点などぜひお薦めしたい作品がございます。

       

      「西洋名画コレクション展」は624日(日)まで 開催しておりますので

       どうぞお出かけください。お待ちしています。

       

      2018.06.01 Friday

      《 西洋名画コレクション展 》

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        みぞえ画廊創業10周年記念

        西洋名画コレクション展 が始まりました。

         

        美術を愛する多くの方々に支えていただき、みぞえ画廊は創業10年を迎えました。

        心よりお礼を申し上げます。福岡に続き、田園調布でも記念展が始まりました。

        皆様には、みぞえ画廊が収集しました海外の秀作油彩画、日ごろは美術館でご覧いただく

        ような名画を、間近でゆっくりとお楽しみいただきたいと存じます。

          

         アンリ・マティス〈刺繍のある緑のブラウス〉

         

        あまりにも有名な巨匠たち、説明申し上げるまでもありませんので年代順に並べて

        みます。

         

        ルノワール  18411919(大正 8年)

        マティス   18691954(昭和29年)

        ルオー    18711958(昭和33年)

        ピカソ    18811973(昭和48年)

        ユトリロ   18831955(昭和30年)

        シャガール 18871985(昭和60年)

        キスリング 18911953(昭和28年)

         

        6人は昭和年間に亡くなっています。つまり、遠い別世界の人々ではなく、私たちは

        この巨匠たちと同じ時代を生きてきたのです。凄いことだと思いませんか。

        この絵は作家が何歳のころに描いたのか、どんな状況にあったのか、作家の人生を

        思い描き、そしてその頃私は何をしていただろう、そんな興味が湧いて身近に感じて

        ご覧いただくのも面白いと思いました。

         

        中でも皆さんが立ち止まる作品は、ルノワールの〈アンリオ嬢〉。印象派初期の代表作

        「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」と同じ年に描かれました。当時19歳の舞台

        女優マリー・アンリエット・グロッサン、この時代のルノワールの主要なモデルの一人

        です。抜けるように白い肌、気品のある初々しい純真な若い女性の眼差しが感じられて

        惹きこまれます。ルノワール35歳の作品です。

         

        もう1点、若い頃に描いた作品はシャガール〈クリサンセマム〉です。

        1920年代後半からヨーロッパの政情は悪化し、シャガールの作品は苦悩の色が濃く

        なっていきますが〈クリサンセマム〉は空に天使が浮かび、若々しさが残りしっかりと

        したタッチで描かれた192639歳の作品です。

         

        ルノワールの〈肌着を直す若い女(ルイーズ・ベンゼル)〉は1905年、64歳の作品。

        サロン・ドートンヌから名誉総裁の称号を授与された年です。1907年、レ・コレットに

        別荘を買い、晩年を過ごしました。レ・コレットには、シニャックボナールドラン

        マティスピカソなど、若い画家が毎日のように訪れていたそうです。

         

        玄関正面に掛けられているのはシャガール〈聖書の光景〉。旧約聖書ダビデ入城の場面。

        掟が書かれた石版が右上に描かれ、太陽から飛びだす天使は人々に祝福を与え、竪琴を

        奏でながら入城するダビデを大勢の民が歓喜して迎える様子が活き活きと描かれ、93歳の

        制作とは思えないほどの1980年頃の大作です。

         

        キスリング〈モンパルナスのキキ〉1925 34

        キキの本名はアリス・ブラン。モンパルナスのカフェに集まる芸術家たちにキキという

        愛称で呼ばれいつしか「モンパルナスのキキ」と呼ばれて愛されるようになりました。

        キスリング、ドラン、ピカソ、フジタらのモデルを務めましたがとりわけキスリングは、

        100枚以上のキキの肖像を描いています。

         

         

        油彩の外に版画作品も展示してございます。そのお話は次回に…

         

        「西洋名画コレクション展」は624日(日)まで開催しています。

         

        2018.04.29 Sunday

        福岡店にて西洋名画コレクション展5/20まで、開催中です!

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          みぞえ画廊が福岡に開廊してから、10周年を迎えました。

          これまで少しずつ集めてきた作品の中でも、一番良いものを皆様にご覧いただく内容となっております。

          どれも特別な時にのみ展示する作品ばかりです。

           

           

          19世紀の後半から20世紀半ばにかけて活躍した巨匠の面々がずらりと並びました。

          パブロ・ピカソ、マルク・シャガール、アンリ・マティス、ピエール=オーギュスト・ルノワール、モイズ・キスリング、ジョルジュ・ルオー、モーリス・ユトリロの油彩画他、計15点です。

           

          印象派、フォービズム、キュビズム、エコールドパリなど、既成概念から抜け出してゆく動きが活発であった時代。数々の名作が生まれ、今日にまで影響を与え続けています。

          同時代を生きた巨匠たちは、かつて新進気鋭の名もなき画家で、互いの存在を意識し、切磋琢磨していたと伝えられています。

           

          療養中のルノアールにマティスが自分の絵を見せに行った、

           

           

          マティスとルオーは国立美術学校の同級生で、約半世紀にわたり手紙をやりとりしていた、

           

           

          ピカソとマティスはライバルでありながら心の友でもあり、

           

           

          晩年のシャガールとピカソが同じ陶芸工房に通い、

           

           

          キスリングはピカソがかつて住んでいた共同住宅(通称「洗濯船」)に住み、

           

           

          ユトリロの母シュザンヌ・ヴァラドンはルノワールのモデルを長く務めた。

           

           

          これ程の芸術家たちが、芸術の都パリに集まり、名品の数々を生み出していたことを思うと、その時代の勢いに、ただ圧倒されます。作品の一つ一つに、奥行きを感じ深い感動があります。

           

          5/20まで開催しております。ぜひお越しください。

           

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          2018.04.27 Friday

          《弓手研平展》開催中 2018年4月14日〜30日

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            JUGEMテーマ:展覧会

             

            弓手研平展、田園調布のギャラリーでは3回目になります。

            弓手先生の油彩作品を愛する方々が連日いらして、作品が素晴らしかったとご友人に伝え、更にお客様が増える、という毎日です。

             

             

             

             

             

            初日にギャラリートークがありました。

             

             

            ある高校で1年だけ美術教師をしていた20代の頃、高校生には難しいと思える課題を出すとそれに答えて、必ずびっくりするほど面白い物語をつけて作品を提出した印象的な生徒がいました。

            18年ぶりに、ある新聞社のパーティ会場で偶然声を掛けられたのがその生徒、塩崎祥平さんで、映画監督になっていました。来年1月に公開される映画「かぞくわり」に弓手先生の作品が登場することになるのですが…

             

            映画の舞台は、1400年前からある當麻寺や二上山があり日本文化の発祥の地と言われる奈良県かつらぎ地域。核家族や住宅問題を提起し、人間が幸せに暮らすってどんなこと?というのがテーマになっています。

            映画の詳しい内容に関しては29日(日)14時〜 弓手先生と塩崎監督のトークショーをお楽しみに!

             

            作品に関するお話です。

            弓手先生は40代初めから4年ほどかけて「日本国憲法の心を描く」というテーマで憲法全百三条、110点の作品制作に取り組まれました。人間の幸せってどういう形?と思った時に、現代人にとって足元にある究極のものは日本国憲法で、憲法には、幸せに暮らすルールが書いてあると思われ、憲法を読み解き、シンプルに解釈して制作をされました。その間に訪ねたブータンの人々の暮らしを見て更に本当の幸せって何だろうという思いを持ち、その後の作品にも反映されました。

             

            「油彩の場合、写真やスケッチはしない。頭に浮かんだ時にメモを取ることはあるが、イメージは頭の中にたくさん持っているので描いているうちに湧いてくるものを、掬い取る、拾い上げる。」のだそうです。

            一方、「スケッチ旅行の際のドローイングは、下塗りした紙を何枚も用意し総重量40キロもの紙と画材を担いで行き、その場で感じたことをありとあらゆる画材を使い、現場の感覚で最大限描く。大和高田市に住んでいた高校生の頃、毎日曜日に自転車でスケッチに行った経験が基礎になって、色々な感じ方で描いている。」とおっしゃいます。

             

            先日のアートフェア東京では、弓手作品に対して「何の知識もない初めて作品を観た人にも、想いが伝わるのだと感じた。何の概念や言葉が通じない外国でも、表現したいものを飾り物ではなく土台から描けば、ちゃんと伝わることがアート台北でも分かり、自信になった。全ては地面から描く、絵の下に何が隠れているか、どんな考えで描いたかを見てほしいのです。」とおっしゃっていました。

            暖炉の上に掲げられている「海原の岩松」F15号に皆さんが目を留められます。

            広い海原の岩に松がしっかりとしがみつき、生きている。小舟に乗った人間は、島に近づこうと荒波に抗い必死に漕ぎ続けていて、「こんなことをするのは人間だけですね。」と。

            平家物語の壇ノ浦を想像する場面だとお客様に言われましたが、「確かに弓手という姓は平家物語以前には出てこない姓です」という会話も聞こえました。

             

            15日には、みぞえ画廊の庭を眺めながらライブドローイングがありました。

            16日の先生のブログ〈えかきの思考〉に詳しく紹介されていますのでそちらをご覧いただければと思います。

            http://blog.livedoor.jp/k_yunde/archives/2018-04-16.html

             

            今、みぞえ画廊で弓手研平作品50数点をご堪能いただけます。

            会期は30日()までとなりましたが、是非ご覧いただきたくご案内を申しあげます。

             

            2018.04.01 Sunday

            「現代版画の粋」展、4/8まで開催中!

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              福岡店では「現代版画の粋」展開催中です!

               

               

              現代の版画界のトップを走る、版画家の方のグループ展です。錚錚たる顔ぶれをそろえた展覧会が実現したとあって、初日のパーティーでは、かつての教え子や後輩やファンなど、沢山の方がつめかけました。

               

              中林先生と皆様。

               

              版画と一言で言っても、木版画、銅版画、シルクスクリーンなど、様々な技法があり、皆様それぞれ独創的な表現を追求し続けてこられました。

               

              中林忠良先生の銅版画の作品です。

              銅版画には大別して2種類あり、銅板に工具を使って銅板を彫る技法と、腐蝕液を使って間接的に銅板を彫る技法があります。

              中林先生は主に後者で、腐蝕液を使います。過去に故・金子光晴の「すべて腐らないものはない」という言葉に感銘を受けたと語るように、銅板を腐蝕させる工程そのものが、銅版画の表現の本質として大きなテーマとなっています。

               

              柳澤紀子先生の銅版画の作品です。

              チェルノブイリ視察後に制作した作品や、頭が動物で体が人の動物人のシリーズなど、機知に富みながらも現代への鋭いまなざしが感じられる近作が並びます。

               

              磯見輝夫先生の作品です。

              杉の板を使った木版画作品です。杉の木目の荒々しさと彫りの生々しい線、「流れる」「もう舟は来ないけれど」というタイトルから、がれきを押しのけて下る濁流や、二度と船の来ることのない波止場が想像され、胸に迫ります。

               

              小林敬生先生の作品です。

              木口木版という技法で刷られています。通常木版画と違い、木の切り口の面に版を掘る技法で、木の目が細かく硬いためより繊細な彫りが可能になります。画面いっぱいに広がる幻想的な景色は、その中を何度も目でなぞっても、また新たな発見があります。

               

              池田良二先生の作品です。「Circle/円環」という形態を一つのテーマに、石や鶏卵を使ったインスタレーションを展開し、それらをフォトエッチングという技法で作品にしたシリーズの他、様々な銅版画の技法を重層的に駆使した作品を展示しています。

               

              東谷武美先生の作品です。氷と水をテーマに制作されたリトグラフを制作し続けており、氷がだんだんと形を変えてゆく様子を捉えた「日蝕」シリーズが代表的です。

               

              河内成幸。先生の作品です。自ら凹凸版摺りという技法を編み出し、新たな木版画世界の先陣をきって制作を続けています。木版画の暖かみと、銅版画のような鋭い線が織りなす作品を可能にするのは、この技法ならではのものです。日本的な鮮やかな色彩も楽しい作品です。

               

              天野純治先生の作品です。シルクスクリーンという技法を使って、何度も色を重ねてイメージする色を作り厚みを持たせることで、色彩を独自の表現へと変化させています。

               

              1枚の版画が出来上がるまでのエネルギー、そしてそれに行き着くまでの道程に思いを馳せつつ。

              4月8日までとなっております。是非ご来廊ください。

              スタッフ。

              2018.03.22 Thursday

              【東京店】永武展

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                武作品展 〉開催中です

                 

                油彩・テンペラ作品33点、オブジェ35点、版画10点が展示されています。

                福岡店では昨年10月に「永武展」がありました。スタッフブログには秋雨が、と書かれていますが

                昨日、東京は朝から雪が舞い始め、庭にうっすらと積もりました。数日前に桜が咲いたという開花宣言があったばかりです。

                 

                 DOKI DOKI」「浜辺のビーナス」

                 この正面も冬瓜を描いた「DOKI DOKI

                 

                  

                油彩とテンペラの混合技法で描かれた作品を前に「薄描きだが深い色がでるのです。モデルはいません。想像で描いています。」と永先生はおっしゃいます。

                記憶をたどっているように遠くを見つめる眼差し、観る者に強く訴えるのではなく、ただ静寂の中に佇んでいる女性、向き合いそれぞれの人物を創造されている先生の姿が浮かびます。

                 

                流れ着き、浜辺に打ち上げられた木片やプラスチック、長く深海にあってピンク色のフジツボを纏った小さな石、焚火をした跡の黒く炭化した木切れ… 先生は、いつか現れてくるであろう姿を想いながら打ち捨てられた木切れたちを手に取り、アトリエに持ち帰られるのです。

                 

                ある方が「作ろうと思うものを想い描いて、拾うのですか?」と永先生にお尋ねしましたら、「まず素材ありき、です。」とおっしゃいました。ひとつひとつが組み合わされて新しい姿が生まれて命が吹き込まれていく。創造していく過程はきっと楽しいだろうなと思います。

                「夜になったら、みんなお喋りをしているんじゃないかしら。」と言う方がありました。なるほど、羽を広げ、飛び回るオブジェたち、きっと動き出している!と思わせるオブジェたち。

                  

                   「叫ぶドレス(機法廖崟个砲覆辰燭錙Δ拭Δ掘

                 

                「シンデレラのわすれもの」

                靴の木型工場で見付けたのだそうです。玄関でおしゃれなペン立てになりました。

                 

                永武作品展は4月1日まで開催しています。10:0018:00会期中無休

                オブジェたちに会いにいらしてください。

                お待ちしています!

                 

                2018.02.18 Sunday

                宮甲 彫刻展を開催中です!

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                  2月17日より、「宮甲 彫刻展」を開催中です!

                   

                  宮甲(みやざき こう)先生は、福岡市のご出身です。

                  佐賀大学美術科を卒業後は、イタリア留学、筑波大学大学院などを経て、東京を主にご活躍されていました。

                  故郷での個展は今回が初めてとなります。

                   

                  初日のパーティーは、同窓生の方々が駆けつけ和やかな雰囲気で、みなさま懐かしいお話に花が咲いていました。

                   

                   

                  恩師の言葉にはにかむ宮甲先生。

                   

                  宮甲先生のブロンズの作品は、そのほとんどが、蝋型鋳造法という技術によって形成されています。

                  佐賀大学に在籍時に、当時の教授が、日本では知られていない新たな技術としてイタリアから持ち帰り、一冊の本にして指南していたことが蝋型鋳造法を知ったきっかけとなりました。

                  東京に出て、その知識のみが自身の武器となると感じてからは、より一層、蝋型鋳造法による彫刻作品の制作に励んだといいます。

                   

                  蝋型鋳造法とは、原型を主に蝋で作り、それを石膏で固めてから高温で熱して蝋を蒸発させて作った鋳型に、ブロンズを流し込み、割り出して完成する鋳造法です。

                  この方法を用いて、原型から鋳造まで全て作家本人が行うことによって可能となる、新たな彫刻表現に取り組んでこられました。

                  板状の蝋をつなぎ合わせたり、バルサという木の棒を組み合わせたりと、全ての工程であらゆる工夫がされています。

                   

                  「居住」「巣」シリーズ

                   

                   

                   

                  「植生」シリーズ

                   

                   

                  「人物」シリーズ

                   

                   

                  イタリア彫刻といえば、大理石の人物像などをイメージすることが多いですが、もっとも価値があるとされていたものは、ブロンズで鋳造された彫刻でした。蝋型鋳造法の伝統の深いイタリアへ赴き、現地の鋳造師の協力を得て作られたのが「トスカーナ彫刻スケッチ」のシリーズです。「せっかくなのでイタリアにいる間はいつもと違った作品を作りたい」という思いから、手びねりで粘土状の蝋を造形し、スケッチを描きとめたような立体作品を多く制作しました。

                   

                   

                   

                  最新作は、画廊の中央に展示中の、「土と空の物語-耕作-」です。

                  土を耕す人物と、それに応えるように空へと伸びる枝ぶりは、自然と人の営みを示唆するかのようです。「巣」「居住」「植精」「人物」「トスカーナ彫刻スケッチ」など、これまでの変遷の集約のようにも思えます。

                   

                   

                  2階会場では、小品ながら見ごたえある作品がご覧いただけます。

                   

                   

                  新聞記者の方に今後の展望を尋ねられて、「ブロンズの他、木、石など、様々な素材を扱ってきた今、あらゆる縛りを解き放って、自由な制作の領域に踏み出したい」と意気込みを語ってくださいました。

                   

                  3月4日までとなっております。是非お出かけください。

                  2018.01.31 Wednesday

                  新春名品展〜日本近現代絵画特集〜開催中です!

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                    ブログでのご挨拶遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

                    日本列島には例年にない寒波が押し寄せておりますが、福岡では何とか積雪を免れています。

                    新春名品展〜日本近現代絵画特集〜開催中です!

                     

                     

                    梅原龍三郎、熊谷 守一、中川 一政、三岸 節子、牛島 憲之、児島善三郎、小絲源太郎、中村 琢二、猪熊弦一郎、海老原喜之助、麻生 三郎、糸園和三郎、織田 廣喜、香月 泰男、盪 辰雄、脇田 和、鴨居 玲、彼末 宏、平野 遼、福井良之助、浜田 知明、堀 文子、野見山暁治、豊福 知徳、等々、日本近現代絵画の巨匠・大家の名品を展示しております。

                     

                     

                     

                    DMにも掲載した三岸節子さんの作品は、「花(南仏カーニュ)」と題されています。

                    1968年、63歳で一大決心をして渡仏し、「5年間フランスで暮らし、ヨーロッパ風景を自分のものにして、パリで個展を開きたい。」という夢をかなえた場所、カーニュ。花は、ライフワークのように描き続けていたモチーフで、画家自身の投影でもあると言われています。

                    描かれたのは1977年。1974年にはブルゴーニュ地方のヴェロン村に移り住んでいましたが、カーニュで過ごしていた頃の燃えるような情熱を振り返っていたのでしょうか。

                    戦前に生まれ、女性差別の激しかった時代を、3人の子を育てながら筆を握り続けることで生き抜いてきた画家。女性のファンも多く、ご来廊のお客様からもお喜びの声をいただいております。

                     

                     

                    ↑東京店の個展で好評を博した豊福知徳先生の作品です。福岡でも6月に個展を予定しています。

                     

                     

                    2月4日までの開催となっております。是非ご来廊ください。

                    スタッフ

                     

                    JUGEMテーマ:展覧会

                    JUGEMテーマ:美術鑑賞

                     

                    2017.12.13 Wednesday

                    【東京店】銀杏の会 〜贈り物としての作品展〜

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                      JUGEMテーマ:展覧会

                       

                      今年で5回目となる銀杏の会が始まりました。

                       

                      初日、講演会の冒頭で渋谷和良先生のご挨拶がありました。

                       

                      40年前に亡くなられた駒井哲郎先生のご自宅で毎年偲ぶ会があり、若い渋谷先生は、

                      皿洗いをしながら作家の方々の面白い話を聞いていた記憶があると話されました。

                      駒井先生が亡くなられたのは11月10日、いちょうが黄色く色づく季節だったので、

                      銀杏忌と名付けられ、その後多くの版画、美術を愛好する方のサロンにしていこうと

                      そうした思いから発展して銀杏の会となっています。

                       

                      今回の展覧会は≪贈り物としての作品展≫と題されています。

                      デユーラー研究者である青山愛香氏(独協大学教授)が、駒井先生へのオマージュとして

                      デューラーの「メランコリア1」に関する講演をされました。

                       

                      アルブレヒト・デユーラーは15世紀末〜16世紀初め、ドイツ・ルネッサンス期に活躍した

                      作家で、彼は代表作を携行して旅に出ました。

                      銅版画の最高傑作といわれる「メランコリア1」も旅に携行した作品の一つです。

                       

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                       「メランコリア1」 

                       

                      これはニードルの点で描写された非常に細密な版画ですが、難解で、主題がはっきりしていない

                      寓意画です。寓意画とは、具体的モチーフを描きながら、アンサンブルになった時に全く違った

                      概念を持つものです。この作品を見ると、人物は肘をついていて翼を持っていますが、天使とは

                      考えにくく、羽は概念を擬人化したものです。右手にコンパスを持ち、足元に大工道具が散らばり、

                      上部には砂時計、秤といった計測器具がならんでいます。

                       

                      古代ギリシャから伝統的に、人間の気質としの憂鬱質を表すために、肘をつくというポーズがあり、

                      デューラーはそれを取り入れています。古代ギリシャの医師たちは、人間には四つの気質「多血質、

                      胆汁質、粘液質、憂鬱質」があると考えていました。4つのバランスが良いと健康で、憂鬱質になると

                      人間は怠惰で動けなくなると考えられました。

                      デューラーは、メランコリーを、新しい視点で捉え描きました。

                      顔は黒く、肘をつき、翼を持つ、憂鬱質の擬人像を、この人物は体現しています。

                       

                      レオナルド・ダ・ヴィンチには、芸術は科学だという時代感があり、当時の芸術家は最高の学問を

                      修める科学者としての存在だと認識されていました。一方デューラーは、天才という概念を出します。

                      芸術家は職人ではなく絵描きとして天から与えられた才能、天賦があると考え、自身は天才だと

                      自負します。

                       

                      しかし、天才であっても天体について理解できない、知の限界を悟ったのです。

                      天才とその絶望感を二重写しにして表した精神的自画像が、この「メランコリア1」であったと

                      考えられます。

                       

                      この作品は『寓意を使って思考する絵画』として、キリスト教絵画にはなかった新しいジャンルを、

                      最高度の版画の技法で生み出した最高傑作の銅版画だと言えるでしょう。

                       

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                      こうして、講演を締めくくられました。

                       

                      デューラーとレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を比較しながらの解説に、聴講された方々は

                      「大学の講義を聴いているように面白かった。」と感想をもらされました。

                       

                       

                      講演の後は、

                      歌手リオさんのヴォーカルと小泉清人さんのギター、大角一飛さんのコントラバスの演奏による

                      ボサノヴァコンサートがありました。

                      繊細で心地よく響く歌声に、師走のひと時を忘れ、40数名の方々がしっとりと聴き入っておられました。

                       

                       

                       

                      クリスマスからお正月にかけて、皆様は親しい方々にプレゼントをなさいますね。

                      受け取られた方に優しい心が伝わる、そんな小品が並んでいます。

                      是非ご覧ください!

                       

                       

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