2020.06.09 Tuesday

【福岡店】八頭司昂展「ポートレート」を開催中です!

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    福岡は一気に暑くなり梅雨入りとなりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

     

    新型コロナウィルス感染抑制の兆しが少しづつ見えて来た今、私たちは福岡の文化を担うアートギャラリーとして、この疲弊した社会にフレッシュな空気を取り入れたいと思い立ちました。非常事態宣言が解けて最初の展覧会は、みぞえ画廊では初の個展となる新進気鋭のアーティスト・八頭司 昂(やとうじ たかし・29歳)の展覧会を開催することにしました。みぞえ画廊では過去の展覧会で最年少アーティストの個展となります。

     

     

    八頭司昂さんの魅力と言えば、その鮮やかな色彩と自在に画面を這いまわる線によって表現される斬新な作風です。人物・風景・植物・動物と言った身近なモチーフを分解し、線と色面で再構成された画面には、ポップアートの様な軽やかな描写と、近代絵画の様な重厚な筆致、抽象と具象が混在します。

     

     

    八頭司さんは現在、佐賀を拠点に活躍しています。
    22歳の時に田川市美術館主催の"英展"において大賞を最年少で受賞し、早くからアーティストとしての頭角を現していました。
    八頭司さんが絵を描く時はまず対象となるモチーフを観察・分解し、独自の視点で色彩と線を再構築するところから始まります。そして、それを実現するために画材の研究にも余念がないのです。

     

     

     


    "ポートレート"と題したこの展覧会については、アトリエで撮影したインタビュー動画をご覧ください。


    「これまで群像とか集合体を描くことが多く、そこに生まれるカオスや抽象性と具象性の間を行き来するところに興味を持って描いていました。今はもっと集中してひとつひとつを描きたい。作品を見比べて楽しんでもらえたら」と八頭司さん。

     

    それでは、人物のポートレートににフォーカスしてみましょう。

     

     

     

     

    この4枚は現役NBA選手のポートレートです。選手の紹介をすると…

     

    左からThomas Bryant(トーマス・ブライアント)、Bradley Beal(ブラッドリー・ビール)、Davis Bertans(ダービス・ベルターンス)、Jordan McRae(ジョーダン・マクレイ)。

     

    どの選手もワシントン・ウィザーズにゆかりのある(現役〜元在籍の選手など)4人だそうです。八頭司さん本人もバスケット少年だったそうで、好きな選手を独特な色面とレイアウトで描いているのが伝わります。これらの人物画からは実と虚、個と集を思わせる大胆な画面構成、細部はまるで細胞のひとつひとつが這う様に冷静かつ微細に描き込まれています。

     

     

    ちなみに、このブラッドリー・ビール選手はファンからは"Big Panda"と呼ばれていて、大食漢でパンダのようにたくさんものを食べる様子をみて名づけられたそうですよ。ご本人も気に入っており、パンダのアクセサリーをつけているとか…。ワシントン・ウィザーズ所属のエースです。

     

     

    この大胆に顔面が切り抜かれているラトビア出身のダービス・ベルターンス選手のニックネームはRatvian Laser。レーザー光線のように外から打つ3Pシュートがよく入るためそう名付けられたそうです。そして"シュートが吸い込まれるように入る"のをイメージしてこのような構図で描いたそうです。(へ〜!とうなずいてしまいました。)

     

     

    土日の在廊日には、横5mに及ぶパネル達にライブペインティングをして公開制作に挑んでいます。ご本人のアトリエからいつも愛用している道具や椅子、画材を一式持ってきてもらいました。

     

     

     

    塗りたての油絵具は独特の光沢感と匂いがあります。

     

    描いているのは名もなき樹木たち。「木の絵を見て"ここに生えているこの木"という様に比較対象を彷彿とさせることがあまりないと思います。比較せずに表現だけに集中できること、そして抽象的な表現や色彩を入れても違和感がないから今は木を描いています。」とのこと。

     

    対象の稜線を追うような独特の筆致が印象的です。一見個性的な油彩の作品でもその確かな描写力が生かされています。

     

    毎回の制作状況を動画にまとめているので、こちらもぜひご覧ください↓

     

     

    ※この続きは、YouTubeのみぞえ画廊チャンネルからチェックができます!


    また、2016年作の横8mにも及ぶ絵画「This is what I believe in」には、あえてアーティストが加筆し作品を"今の時代"に塗り替えていく工程もご覧いただけます。この作品は画廊の壁1枚には収まらなかったので、今回はL字で展示するに至りました。

     

     

    リペイントの様子はこちら↓

     


    加筆について、本人はこのようにコメントしています。

     

    「この作品はいろんな場所で展示をし、加筆しています。その大きさゆえか、自分自身で描いたもののはずなのにコントロールが効かず、いつまでもどこか描かねばならない気持ちになります。作品はどこかで区切りをつけ、完結するものだという認識を改めさせられたのです。作品の完結は私が決めなければいけません。そして時間が経つごとに自身の絵に対する認識やそれに伴う描き方は変わります。そういった変化を受け止めてもらえる作品だと思い、今回リペイントするに至りました。」

     

    子どもから大人まで、この絵を見て「これは〇〇ですか?」「人の顔?」「動物?」と沢山のご質問をいただきますが「その人が見えるように見てもらって大丈夫です。観る側のフィルターを通すことで作品は完成しますから。」と八頭司さんは言います。

     

     

    とあるお客様を後ろからパシャリ。お召しになっているシャツにご注目ください!アパレルブランド"FUJITO"では、八頭司さんが描いたツツジの絵がプリントされたオリジナルシャツを展開しているそうです。ミリタリーシャツの男らしさの中に可憐な一輪の花が目を奪います。

    →FSB Utility Shirt Takashi Yatoji ver. 詳しくはこちら

     

     

    次はドローイング作品にフォーカスしてみましょう!

    八頭司昂さんの描くドローイングは非常に繊細で独特な線によって構成されます。

     


     

     

    お気付きですか?

    これからを元に、色をつけてペイントをした作品がライブペインティングをしているパネル達なのです。

     

    ↓↓↓↓

     

     

    …わかりましたか?

     

    「同じモチーフで表現方法が違うのを見比べるとより面白いと思ってそうしました。」と制作途中のパネルを観ながら八頭司さんは語ります。

     

    ※ちなみに写真下側にあるスツールのカバーは八頭司さんのお母様のお手製パッチワークだそうです。そのパッチワークグループのご友人も多数ご来廊いただきました。

     

    ありがたいことに会期中は、西日本新聞、毎日新聞、読売新聞、佐賀新聞の4紙で掲載されて、

    地元のTNC局からはテレビ取材を受け、福岡のローカルニュースとして放映していただきました。

    メディア関係者みなさま、取材をしていただいてありがとうございました。

     

     

     

    まさに郷土が期待する新進気鋭のアーティストと言える、八頭司昂さんの個展「ポートレート」は6月14日(日)まで、みぞえ画廊 福岡店で開催中です!ライブペインティングも完成に向けて、13(土)、14(日)でアーティストが在廊し公開制作に挑みます。皆さまのご来廊をぜひお待ちしております。

     

     

    八頭司昂 (やとうじ たかし)
    1990年愛知県生まれ。2015年 佐賀大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修 修了。'12年 第62回佐賀県美術展覧会 佐賀県知事賞 受賞。’13年 第22回英展〜人物・風俗〜 大賞 受賞、第63回佐賀県美術展覧会 佐賀商工会議所連合会賞 受賞、第1回YWCA(山梨ワイン&アートオークション)入選、第22回MCAGP(三菱商事アート・ゲート・プログラム)入選、2013年度MCAGP奨学生。’19年 大川市立清力美術館にて個展。

     

    会期中のみぞえ画廊は通常通り10:00〜18:00まで営業いたします。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、定期的に換気をして画廊内の通気性を良くしております。また、ご来廊のお客様には入店時に以下のお願いをしております。

    1.マスク着用、手指消毒
    2.ご芳名帳へ氏名・ご住所等の記帳


    皆様に安心して展覧会をご覧いただけるように、ご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

     


     

    JUGEMテーマ:展覧会

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    2020.05.16 Saturday

    VOLTA NEW YORK 2020に出展しました!(2)

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      VOLTA2020出展レポート第2弾になります。

      今回は『ホイットニー美術館』についてお話したいと思います。

       

      ニューヨーク滞在2日目、みぞえ一行はハドソン川にほど近いホイットニー美術館を訪れました。

      現在開催中の、"VIDA AMERICANA: Mexican Muralists remake American Art, 1920-1950"(アメリカにおけるメキシコ壁画運動と美術)という展覧会に、みぞえ画廊の作品を1点展示いただいております。

       

      メキシコ壁画運動とは、20世紀前半に巻き起こったアートムーブメントの一つです。

      当時、第一次世界大戦の勃発や大恐慌の到来など世界は激動の時代を迎えており、メキシコでも民主化に向けた革命がおこりました。市民(先住民)に目を向けたメキシコ独自のアートスタイルが産声を上げ、そこから多くの壁画が制作されるようになります。そしてこの運動は当時のアメリカにも大きなうねりとなって押し寄せました。

      この展覧会では、当時の運動を主導したメキシコ壁画アーティスト達の作品をはじめ、その影響を受けたアメリカ人アーティスト達の作品が多く展示されており、アメリカ芸術の発展と歴史的背景のつながりを紐解くような見ごたえのある内容となっています。

       

       

      広々とした館内をめぐること数十分...。

      発見しました。ここにいました。

      メキシコ壁画運動を支えた日本人アーティストがひとり。それが野田英夫(1908-1939)です。彼はこの運動の先導者であるディエゴ・リベラ(1886-1957)の助手として活躍しました。

       

      こちらが貸出中の作品、野田英夫の『スコッツボロボーイズ』です。

      (1933年作 グワッシュ 290x416mm)

       

      これは1931年にアラバマ州で起きた、黒人少年9人が白人女性2人を暴行したとして逮捕された冤罪事件を題材としています。この事件は当時のアメリカの人種差別問題を反映した事件として世論を騒がせました。野田英夫はこの作品を通して、日系画家として迫害と排斥にさらされてきた自らの境遇に黒人少年たちを重ね、アメリカ社会を痛切に批判しました。

       

      左手に描かれているこの人物が、この事件の主犯格の少年であるとされています。

      険しい表情ですが、決して屈しないという何か強い意志のようなものを感じます。

       

       

      今回は休館日にも関わらず、日本から来た私達のために特別に案内していただきました。

      みぞえのコレクション作品が海を渡り、歴史を伝える展覧会の一員として展示されているのを目の当たりにし、心なしか誇らしい気持ちになりました。無事に戻ってきてくれることを願うばかりです。

      このような有難い機会を与えてくださったホイットニー美術館の方々に感謝です。

      2020.05.01 Friday

      【福岡店】春の版画市開催中です!〜くつろぎのアート生活をはじめよう〜

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        #家で過ごそう

        その呼びかけも新たな日常と化してまいりました、いかがお過ごしでしょうか。

        イベント中止や延期の知らせが続き、不自由さを感じる毎日にため息が出ますね。

        しかし、こんな時だからこそ、家族との時間をゆっくり過ごしたり、自分を見つめなおす豊かな時間にできたら、この逆境が大きな転換点になるかもしれません。

         

        そこでみぞえ画廊福岡店では、ゴールデーンウィーク期間限定企画として「春の版画市」開催する運びとなりました。

        インターネットやSNSを駆使して、ご自宅でも、作品の鑑賞と購入をお楽しみいただけるようにいたしました。

        今こそ、アートのある生活をはじめましょう。

         

        現代作家から西洋の巨匠まで、幅広い版画作品約70点を、特別価格にて展示販売しております。

        耳慣れない作家でも、実は海外で高く評価されていたりと、驚くべき掘り出し物が多数!

         

         

         

        「虹のアーティスト」として内外で評価をされ続ける、靉嘔のコーナーも人気です。

        どの作品もスペシャルプライスです。

         

         

        本展公開からすぐに、お電話で売約が決まり始めました。

        家の中に長くいると、ふと絵を飾ってみたくなりますね。

        #家で楽しもう

        そんな毎日を彩れましたら、幸いです。

        ぜひみぞえ画廊WEBサイトをご覧ください♪

         

        〈出品作家〉
        ジョアン・ミロ/サルバドール・ダリ / レオナール・フジタ / マルク・シャガール/ ジョルジュ・ルオー / マックス・エルンスト / モーリス・ド・ヴラマンク / ラウル・デュフィ/ トゥールーズ=ロートレック / フェルナン・レジェ / サム・フランシス / ピエール・アレシンスキー / ベン・シャーン / ジョエル・シャピロ / アントニ・クラーベ / アントニ・タピエス /ジャン・ピエール・カシニョール / ポール・アイズピリ / ベルナール・カトラン / ポール・ギアマン / ジャック・デペルト / ジャン・カルズー

        猪熊 弦一郎 / 野見山 暁治 / 靉嘔 / 加納 光於 / 三尾 公三 /三岸 節子 / 小磯 良平 / 東郷青児 / 脇田 和 / 平野 遼 / 柳原 義達 / 絹谷 幸二 / 小杉 小二郎 / 船坂 芳助 / 野中 ユリ、 他 現代作家

         

        会期中のみぞえ画廊は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、定期的に換気をして画廊内の通気性を良くしております。また、ご来廊のお客様には入店時に以下のお願いをしております。

        1.マスク着用、手指消毒
        2.ご芳名帳へ氏名・ご住所等の記帳

        皆様に安心して展覧会をご覧いただけるように、ご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

         

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        2020.04.04 Saturday

        【福岡店】望月菊磨展〜過去と現在〜開催中です

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          桜も満開になり、いよいよ春本番の季節となりました。

          皆様、いかがお過ごしでしょうか。

           

          みぞえ画廊福岡店では、4月12日(日)まで、「望月菊磨展〜過去と現在〜」を開催中です。

           

           

          1945年福岡県生まれの氏は、現在も神奈川県大磯のアトリエで精力的に新たな作品に取り組まれています。

          大きく分けて「換気装置シリーズ」「破壊シリーズ」「メタルドローイングシリーズ」があり、みぞえ画廊の過去のブログでも詳しくご紹介しております。

          今回は「過去と現在(いま)」と題し、1971年東京芸術大学大学院修了制作作品の「META SHOCK」から、

          最新作の喚起装置シリーズ「輝・環」を含む約50点を展示し、氏の半世紀にわたる創作活動の軌跡をご覧いただけます。

           

           

          「META SHOCK」 1971年 真鍮・鉄

          東京芸術大学大学院修了制作作品。当時の毎日新聞の美術記者によって名付けられた「破壊シリーズ」第一作

          サロン・ド・プランタン賞受賞

          東京国立近代美術館、カリフォルニア大学付属美術館などで巡回展示

          氏が現代美術の世界に進んだ、記念碑的作品。

           

           

          喚起装置「輝・環」 2020年 真鍮

          氏の最新作。ざらつき、マットな土台部分から、光り輝くリングが出現しているような神秘性を感じる作品。

           

           

          「幻のタモリカップ」 2015年 真鍮・金箔

          「日本一楽しいヨットレース」をテーマにした、タモリさん企画のヨットレース「タモリカップ」(2009年〜2018年)

          そのトロフィーも氏が手掛けていました。2015年大会が諸般の事情により中止になり、氏の手元に残された作品です。

           

          そのほか、人気の「メタルドローイング」シリーズや、小さな立体作品の「思うままに」シリーズなどもございます。

           

           

          また、今回の展示はご友人でもある詩人の橋本明氏の詩や俳句とコラボレーションし、より一層深く望月菊磨の世界観に

          浸っていただけると思います。

           

           

          このような時節柄ではございますが、ぜひ足をお運びいただき、ご高覧いただければと思います。

          2020.03.14 Saturday

          VOLTA NEW YORK 2020に出展しました!(1)

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            JUGEMテーマ:展覧会

             

            Good to see you, New York!!

            福岡でのオープンから11年。東京でのオープンから7年...。

            この度、みぞえ画廊がニューヨークに初上陸を果たしました!

             

            【VOLTA】

            3月5日(木)〜3月8日(日)の5日間、【VOLTA NEW YORK 2020】に出展いたしました。

            2008年よりスタートしたこのVOLTAはコンテンポラリーアートを主軸としたアートフェアで、毎年世界各国から個性豊かなギャラリーが顔を並べます。今回は、53のギャラリーが会場に集結しました。https://ny.voltashow.com/about/

             

            【会 場】

             

            会場はハドソン川にほど近い「Metropolitan West」。​

            ハドソン川沿いは美術館や観光施設が点在するほか公園が多く整備されており、市民の憩いの場としても親しまれています。写真2枚目は「イントレピッド海上航空宇宙博物館」。少々見えにくいですが、実際に使用されていた航空母艦をそのまま博物館にしています。さすがニューヨーク...!なんというスケール...。

             

             

            みぞえ画廊のブースは#2.13。会場2階の中央あたりのスペースでした。

             

            ブース間の距離が近く、ギャラリー同士でも盛んにコミュニケーションがとられていた印象です。

            会場に来ていたアーティストの方たちも自由にブースを行き来していました。

            みぞえの正面ブースはトルコ・イスタンブールからのギャラリーで、気の良い中年男性とスタイリッシュな若い女性の二人組。おふたりともギャラリストでしたが、会期中ダンスミュージックを流し始めたりと、なんとも気さくで自由な方々でした。成程こういうフレキシブルさがあってもよいのかと、筆者は人知れずグローバルな刺激を受けておりました。

             

             

            【作 家 紹 介】

            みぞえ画廊からは日本人ならではの美意識が息づく2名のアーティストの作品を展示しました。

             

            ◆奥山民枝

             

             

            一人目は、あらゆるエネルギーを内包する壮大なコンセプトを持つ女性アーティスト、奥山民枝。

            今回展示したのは太陽と雲をモチーフとした作品。どこまでも引き込まれるようなその画面に、自然の神秘と“いのち”を見つめ続ける氏ならではの感性と技術が見事に結晶しています。慈しみと愛情にあふれながら、どこかミステリアスな雰囲気をまとう作品から目が離せません。

             

            奥山民枝の太陽の作品は、ある見方をすると不思議な現象を体験できます。

            それは太陽の中心部分を集中して見続けると、輪郭がぼやけていき画面が一色になっていくというもの。

            体験されたお客様は、

            「き、消えた!」

            「これはどういうことなの??」

            などと、ナイスなリアクションをたくさんしてくださいました。

            ご友人を連れて戻ってこられる方や、中には “Transforming Art”(変容する芸術)と素敵な表現をしてくださった方も。

             

             

            ◆弓手研平

             

             

            2人目は、アジアに根付く文化を掘り下げ独自の技法で描く、弓手研平。

            氏は人の営みをとらえるべく、我々が当たり前に踏みしめている「土」という存在にフォーカスを当て作品を描きます。1年掛けて50層以上も絵の具が塗り重ねられたその作品には、力強さと親しみやすさが共存する二つとない世界観が息づいています。
             

            作品を前にして、のぞき込むようにじっと目を凝らされる方が続出しました。

            何層にも塗り重ねられた油絵具のマチエールを見て、「これは本当に油絵具だけなのか?」と驚かれる方もたくさん。

            重厚感のある額との関連性を問われるお客様もいらっしゃいました。

            氏の代表的なモチーフになりつつある林檎の木の作品に対し、平和や安らぎを感じるといったコメントが多いことも印象的でした。

             

             

            コロナウイルスの懸念もあり、アジア人に対する偏見など国内外でネガティブなニュースが多く飛び交っていましたが、現地ニューヨークでは全くそんなことはありませんでした。VOLTA運営スタッフをはじめ、出展ギャラリーやお客様にも温かく迎えられ、VOLTA NEW YORK 2020は幕開けとなりました。当初の半分の人数(3名)で乗り込んだニューヨーク!もはや運命共同体でした。次回は会場の様子や、オープニングパーティ、同時開催されていたアートフェアについてご紹介したいと思います。

             

             

            2020.03.02 Monday

            【福岡店】 春の名品展を開催しております

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              JUGEMテーマ:展覧会

              みなさまいかがお過ごしでしょうか?

              福岡では春のあたたかさを日を追うごとに感じています。

              みぞえ画廊 福岡店では3月15日(日)まで「春の名品展」を開催しております。

               

               

              西日本エリアでは初のお披露目になります、印象派の巨匠クロード・モネの油彩画「牧草地、曇り空」を展示しています。

              モネが移り住んだジヴェルニーの自宅を囲む牧歌的な田園風景を、独特な空気感と光の質感で描いた象徴的な一枚です。

               

               

               

              クロード・モネ (1840-1926)

              『 牧草地、曇り空 』

              油彩 60×100cm 1890年

               

              モネが1883年に移り住んだジヴェルニーの自宅近くの風景を描いたこの作品には、画面中央に小さく積みわらが描きこまれている。1890年の作品であるが、これはモネの代表作である積みわらの連作25点の制作時期とぴったりと重なっている。モチーフである積みわらが画面を支配するような近景が特徴的な25点に対し、この作品では広い景色の中の一部として積みわらが描かれており、これらの作品が同時期に制作されていたという事実は非常に興味深い。これはモネが積みわらというモチーフに対して様々な解釈を試みていたことを示唆していると同時に、移ろいゆく景色と光の様相を捉えようとする彼の深い探求心がうかがえる。ぼんやりとしたイメージでしかなかった“連作”というスタイルが、モネの中で意識的な仕事へと変わっていったその過程において、本作品が持つ意味は非常に重要なものであるといえるであろう。

              モイズ・キスリング
              『ダリア』
              油彩 73.2×54.6cm 1948年

               

               エコール・ド・パリを代表するキスリングは早くから花卉画を描き始めている。デビューした当時は小品が多かったものの、両大戦を経ていくうちに大きな画面で描かれるようになり、主題としての格も高まっていった。晩年にかけて花、花弁、葉のどの部分をとっても非常に細やかな描きこみが見受けられるようになるが、それは同時期の静物画にみられる超写実主義的な写生に由来するものである。

               第二次世界大戦時、1941年からアメリカへ亡命していたキスリングは1946年にパリへと帰還する。本作『ダリア』が描かれたのは1948年であり、晩年に差しかかったキスリングの精緻な描写力が全面に表れている。4本のダリアもさることながら、背景に据えられた艶やかなブルーのカーテンは、その布の質感さえも手に取るように伝わってくるようなリアルさを内包している。キスリングの入念な観察眼と、計算された色と構図のバランスが見事に結晶した作品である。

               

               

              他にも、熊谷守一、坂本繁二郎、児島善三郎、牛島憲之、三岸節子、猪熊弦一郎、香月泰男、鴨居玲など日本の近現代美術を代表する作家たちの作品など、30余点を展示中です。

               

               

              香月泰男
              『土筆』
              M6号

               

               

              三岸 節子
              『白い花』
              油彩 F6号 1963年

               

               

               

              ウィレム・デ=クーニング
              『The Man and The Big Blond』
              リトグラフ 64.5×76.7cm    1982年

               

               

              令和最初の春を皆様と迎えるにふさわしい、選りすぐりの作品を集めました。コロナウィルスの影響等で美術館や博物館が閉館と相次いでいますが、みぞえ画廊は通常通り営業しております。小春日和のお散歩に、ぜひ春の名品展へお越しください。

               

              出品作家
              クロード・モネ、ワシリー・カンディンスキー、パブロ・ピカソ、ウィレム・デ・クーニング、モイズ・キスリング
              熊谷守一、坂本繁二郎、児島善三郎、中村研一、中村琢二、牛島憲之、三岸節子、猪熊弦一郎、野田英夫、香月泰男、糸園和三郎、坂本善三、宇治山哲平、井上長三郎、鴨居玲、平野遼、松本英一郎、織田廣喜、浜田知明、野見山暁治、豊福知徳、嶋本昭三、堀文子、吉田博、川瀬巴水、他

               

              2020.02.07 Friday

              【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第25回は、ベン・シャーン

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                みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。 

                 

                第25回は、ベン・シャーン(1898年〜1969年)

                   「三輪車」リトグラフ79×53.2cm  版上サイン

                 

                1898年リトアニア(1990年3月ソビエト連邦より独立)の寒村に生まれる。

                両親はユダヤ人。8歳でアメリカに移住しブルックリンに住み、幼いころから絵を描き始めます。13歳の頃には石版画工となって夜間学校に通います。24歳でナショナルアカデミー・オブ・デザインに入学、パリのアカデミーでも伝統画法を学びますが、商業石版画の収入で生計を立てていました。

                 

                1931年・33歳で「サッコとヴァンゼッティ」23点の制作を始め、翌年画廊で発表。

                これは、1920年に起こった強盗事件で犯人とされるイタリア系移民二人が死刑となった(処刑から50年後、無実が確認された)冤罪事件をベン・シャーンが取り上げたもので、作品は大きな反響を呼びました。普遍的な人間の尊厳、貧富や人種による差別、思想の自由というテーマを取り上げたことで、ベン・シャーンは画家としての地位を得て、アメリカ人画家としても独自の画風を確立することになりました。

                 

                1954年、ビキニ環礁でアメリカの水爆実験が行われ、焼津港所属の第五福龍丸の船員23人が被爆。3年後、ベン・シャーンは「福竜丸の航海」の記事の為の素描を依頼されます。人間の尊厳を脅かす原水爆の恐怖に衝撃を受け、その恐ろしさを全世界に知らせるために

                ベン・シャーンは1960年「ラッキードラゴン」シリーズ11点の制作を始め、日本を訪れています。

                東京・夢の島公園にある都立第五福竜丸展示館で20197月と9月に「ラッキードラゴン」素描13点が展示されました。展示環境から通常は複製画の展示となっています。

                 

                ベン・シャーンは絵画だけではなく、壁画、写真、ポスター、舞台美術で大きな功績を残しました。様々な社会問題を取りあげ、社会や政治を批判しつづけ、日本では多くの画家、作家、平和運動家がベン・シャーンの影響を受けました。

                 

                ベン・シャーンは、ひきつり、かすれ、心を震わせるような黒い線、ほかの誰も使わなかったような個性的な線を編み出し、「三輪車」は曲芸のように軽やかに宙に浮いた自転車乗りを描いています。みぞえ画廊にはこのほか「人のいないスタジオ」(1951 紙・ランプブラック)「スーパーマーケット」(シルクスクリーン) がございます。

                ぜひご覧いただきたくご案内申し上げます。

                 

                 

                2020.01.26 Sunday

                新春企画「−没後35年− 鴨居玲展」2/2まで!

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                みぞえ画廊福岡店の、年明け最初の展覧会は、新春企画「−没後35年− 鴨居玲展」です。

                 

                 

                鴨居玲は、35年前、57歳でその生涯を閉じました。

                生と死、老い、孤独、愛といった人間の普遍的テーマと向き合い、対象の内面をもえぐり出す様な画風で描いた作品群は、今もなお世代を超えて多くの人を魅了しています。

                画廊屋外に掲示したポスターに惹かれて立ち寄るお客様も、いつもより若い世代が多いように思います。

                会場では、壮年期から晩年までの油彩画をメインに素描の作品も含め15点を年代順に展示し、作品についての解説を掲示しております。そのうちの3点をご紹介いたします。

                 

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                「インディオの女」油彩 81.0 x 53.8 cm 1965年作

                 

                鴨居が制作に行き詰まり、サンパウロ、ボリビア、ペルーを流浪していたのが本作を描いた1965年、37歳の時だ。『インディオの女』というタイトル通りラテンアメリカの先住民族と思われる女の手は異様に大きく描かれ、祈りを捧げているのか、または大切なものを握り締めているのか…。下を向いた乏しい表情からは幾重にも想像できる。本作にある黒い絵具の粒を吹き付けたような表現は以降の作品ではあまり見られず、30代半ばの作品は具象とも抽象ともつかないシュールレアリズムな表現も多いことから、画風が定まらず技法や方向性を試行錯誤していた画家の苦悩の時代だったようだ。

                 

                 

                「蛾」 F50号 90.9×116.7cm 1968年作

                 

                「蛾」は鴨居がサンパウロにいた若林和男を頼り、ブラジルに渡ってからしばしば取り上げてきたモチーフだ。南米を思わせる赤黒い肌の老人が二人窓辺で佇み、窓には巨大な蛾が一匹。双方の顔は向き合いもせず、一方の男は空虚に話しかけているように見える。 鴨居は「蛾を人間がしゃべることの虚しさの象徴として描いている」と過去に語っており、あるいはそれが、人生の虚しさのように映るという指摘もされていた。余白を大きく見せる構図と人物像の描き方から、1969年に安井賞を受賞した『静止した刻』に繋がる作品と言える。

                 

                 

                「バンジョー」 油彩 F10号 53x45.5 cm 1985年作

                本作は「Rey Camoy KOBE」とサインがあり、没年となる1985年に神戸のアトリエで制作されたものだ。髪型の特徴などから、バンジョーをひき鳴らす鴨居自身の自画像と思われる。唄っているのか、苦悶するような悲壮感のある表情が印象的だ。
                晩年の代表作 『1982年 私』 以降、鴨居は自画像だけを執拗に描き続けた。学生時代から晩年まで、画業を語る上で鴨居の自画像は外すことができない大切なテーマだ。自分自身を見つめすぎるほど見つめて、死と隣合わせの"生"を追い求め、描き続けていた。本作が描かれた年、鴨居は自ら命を絶った。絶望と希望のはざまでもがきながら、その人生を華麗に駆け抜け、自ら幕を下ろした孤高の画家は何を見つめ何を私たちに伝えたかったのだろうか。

                 

                ******

                 

                関連書籍も多く、鴨居玲の人となりを様々な文献から知ることができます。

                整った顔立ちを自覚していたのか2枚目を演じつつも、その実それが失敗していたりもして苦悩している様子は、頻繁に描かれる老人や酔っ払いの作品にどこか通じるものがあるとも記述があり、作品を前にして、怖いという印象を持ちつつも目が離せなくなる「人間臭さ」は、様々な矛盾を抱えていた鴨居だからこそ描き出せたものだったのかもしれません。

                孤高の画家 鴨居玲と改めて向き合う機会になりましたら幸いです。

                皆様のご来廊をお待ち申し上げます。

                2020.01.20 Monday

                クリスマスアートフェア

                0

                  皆様、たいへん遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

                  本年も、みぞえ画廊 東京店 福岡店ともどもよろしくお願いいたします。

                   

                   

                  さて、昨年末のお話になりますが、みぞえ画廊 福岡店では年に一度の大イベント

                  「クリスマスアートフェア」を開催いたしました。

                   

                  これは、皆様のご愛顧に感謝して、年に一度、みぞえ画廊のコレクションの中から厳選された作品を、最大50%OFF

                  にてご提供する、年末の大イベントなのです・・・!

                   

                  シャガールやダリ、ミロの版画、アイズピリや長谷川利行はじめ、近現代の作家の油彩、盪鈎ど廚篷拱源劼瞭本画、クリスマスプレゼントにも最適な1万円の現代版画の小品コーナーなど幅広いラインナップで、約80点の作品を展示いたしました。

                   

                   

                  また、12月14日(土)には、西区市民吹奏楽団サックスクァルテットの皆さんによる、ミニコンサートを開催いたしました。

                  ソプラノ、アルト、テノール、バスのサックスによる四重奏でクリスマスソングからクラシックの名曲「パッヘルベルのカノン」などを演奏していただきました。

                   

                   

                  吹奏楽器はとても体力を消耗するようで、一番大きなバリトンのサックス担当の白石さんは、汗だくの熱演でした。

                  素晴らしい演奏会で、40分があっという間でした。

                   

                  お隣の、【フラワーパーク本店】【Mセラーズ】でもクリスマス飾りの手作り教室や、カリフォルニアワインの試飲会などを開催し、多くのお客様にご来廊いただきました。

                   

                  イベントにお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました。今回は行けなかった〜という方も、次回はぜひお越しくださいませ。

                   

                   

                   

                  2019.12.27 Friday

                  【福岡店】 クリスマスマーケット in 光の街・博多2019に出展しました

                  0

                     

                    みなさまクリスマスはいかがお過ごしでしょうか?

                    みぞえ画廊福岡店は先日、博多駅前広場で開催された「クリスマスマーケットin光の街・博多2019」に11月29日(金)〜12月8日(日)の10日間、初出展してまいりました。

                     

                    "いつまでも、この街とともに"をテーマに、この福岡の地でクリスマスマーケットに来た人が、1人でも幸せな気持ちで家へ帰れるようにと願いを込めて開催されたイベントです。そんな、心あたたまるクリスマスの贈りものにふさわしい、選りすぐりの絵画をヒュッテ(小屋)にて展示いたしました。他店舗ではホットワインやショップも立ち並び、夜遅くまでにぎやかな雰囲気の中、心躍る楽しい時間をお客様と一緒に過ごせました。

                     

                    みぞえ画廊のヒュッテはこちら↓

                     

                     

                     

                    夜のヒュッテはイルミネーションがライトアップされて、ムード満点。野外なので夜の冷え込みを想定して、スタッフは念入りに着込みました。クリスマスマーケットの世界観に溶け込むように、キャプションや看板(写真右)も手作りして準備OK!

                     

                     

                     

                    みぞえ画廊から出品したのは、おすすめ現代作家5名の作品群。まずはストーリー性を感じさせるメランコリックな作風が特徴のオーガ・フミヒロ、3号サイズの作品たち。

                     

                     

                    2020年1月11日(土)からみぞえ画廊 東京店で個展を予定している、望月菊磨の絵画を超えた彫金作品「メタルドローイング」シリーズ。

                    →望月菊磨展の展覧会情報はこちら

                     

                     

                    木版凹凸摺りという独自の技法で制作する、河内成幸。の版画作品(奥の壁面)。

                     

                     

                    自身を取り巻くメディアの断片を組み合わせて、架空の人物像を描く柴田七美の「モンタージュ」シリーズ(手前)。

                    とアジアに根付く文化を何層にも重ねて描いたマチエールが特徴の、弓手研平「林檎の木」(奥)。

                    弓手氏がプロデュースし美術監督を務めた、映画「かぞくわり」もちょうど、福岡上映中ということもあり急遽、映画紹介コーナーも設置しました!

                    →映画の特設サイトはこちら

                     

                     

                     

                    立ち寄られるお客様は、平日は仕事帰りの会社員風の方や外国人観光客、土日は家族連れ・観光者が多いように感じました。10日間と長い出展期間でしたが、いろんなお客様とお話が弾んでとても有意義な時間となりました。

                     

                    クリスマスマーケット光の街・博多の主催者のみなさまには大変お世話になりました。おかげ様で、わたしたちにとっても思い出深い最高のクリスマスとなりました。Happry Merry Christmas!

                     

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