2018.08.17 Friday

【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第7回は、永 武(1947年〜  )

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    JUGEMテーマ:美術鑑賞

     

    みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとに

    セレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。

    今回も今まさに活躍中の現代作家を取り上げます。

     

    第7回は、永 武(えいたけし 1947年〜  ) 

     

    『どきどきしたいな』 木に油彩・テンペラ 54.5x61.0cm

     

    デザイナーとして広告代理店に勤務していた33歳の時、自身の内面と向き合う芸術の世界へと方向転換し2009年には福岡県糸島市の、鍛冶屋跡を改装したアトリエに活動拠点を移します。

     

    糸島という土地は、朝鮮半島、中国大陸と近く、古来より海のむこうからやって来た人々と交流がある場所で、訪れ、出会い、帰っていく、今もアーティストがやってきて過去から未来へとつながっている地域だと思わせます。

    〈糸島国際芸術祭 糸島芸農〉は糸島内外で活動する多様な専門家が集まり、互いに刺激し合いながら芸術祭を開催し、芸術と地域社会の関係性を発信しています。永武は毎年この芸術祭に参加していますが、今年4月の糸島国際芸術祭では、前原商店街に残る築110年の町屋で「かた隅の肖像 永武作品展」が開催されました)

     

    永武は人物や冬瓜をモチーフに長年描き続けており、この『ドキドキしたいな』は、持ち重りのする厚み3cmほどの木材に、緻密に産毛までみえる冬瓜が描かれています。古典的な技法である顔料と卵を混ぜて描くテンペラ画を中心に制作していますが、モデルを使わずに描いた人物画は、詩情あふれる愁いをたたえた人物を独特の感性で描いています。

     

    「アートは自分を表現するもの。自然物を使うこと」が創作の原点にあり、廃材や海辺の流木、道でふと目にとまった捨てられているモノがアトリエに置かれています。「素材に作らされている」という永武の手によって、命が吹き込まれオブジェになって現れます。ピンクのフジツボを纏った貴婦人、松笠を被ったゴスペラー、魚網を手に遠くを見つめる人、『石になったわ・た・し』と題した岩に覆われた鳥、『月夜のハンター』と題した精悍な動物、空飛ぶサーファー。存在感のある、それはそれは楽しい永武の世界です。

     

    永武『どきどきしたいな』は東京店にて展示・販売中です。ぜひ、ご覧ください。

    https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=84

    2018.08.10 Friday

    【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第6回は、小松孝英(1979年〜  )

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      JUGEMテーマ:美術鑑賞

       

      みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとに

      セレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。

      今回は今まさに活躍中の現代作家を取り上げます。

       

      第6回は、小松孝英(1979年〜  ) 

       

      小松孝英は、日本在来種と外来種の生き物、それらの生態系の変化や生物の多様性をテーマに描いています。国内外の個展で作品を発表、世界8ヶ国13地域のアートフェアに出品しています

       

      『雨あがり』 油彩F6号

       

      代表的なモチーフは蝶で、美術家としてスタートした時から描き続けている題材です。こどもの頃、虫取り網を持って走り回った野山や川、どこにでもいたゲンゴロウ、カミキリムシ、クワガタを、このたった20年ほどで見かけなくなりました。護岸工事や農薬による環境破壊、里山の減少、明治以降日本に入ってきた生命力の強い外来種の登場などで、身近な生態系が劇的に変化してしまったのです。

       

      小松孝英は琳派の流れをくむ技法で、琳派の時代には決して描けなかった題材に取り組んでいます。「今の時代をとらえ、今の時代を残していくこと。そして守りたくても守れない自然に対するジレンマなど、環境問題に代表される時代の矛盾を作品で訴えていくことがアーティストの仕事だと思っています」と小松孝英は語っています。

       

      「外来種群蝶図」100号が、2010年の国連COP10「生物多様性条約第10回締約国会議」に特別展示され、国連生物多様性条約記念ミュージアムにコレクションされました。

      LEXUS NEW 匠PROJECTは、伝統技術に自由な発想を掛け合わせ、前例のないモノづくりに挑む匠を全国から選出するプロジェクトです。美しく羽ばたく蝶と生態系の変化をデザインしたアロハポロシャツ「ミヤザ着」で小松は2016年「匠」52人のひとりに選ばれました。

      シャツの表には蝶をあしらい、裏には稲を食害する外来種「ジャンボタニシ」と激減した「タガメ」をデザインし、宮崎の今を考えさせるきっかけをつくりました。

       

      小松孝英『雨あがり』は東京店にて展示・販売中です。ぜひ、ご覧ください。

      その他、在庫作品はこちらをご覧ください。

      https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=&name=%E5%B0%8F%E6%9D%BE%E5%AD%9D%E8%8B%B1

       

      2018.08.03 Friday

      【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第5回は、猪熊弦一郎(1902年〜1993年)

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        JUGEMテーマ:美術鑑賞

        みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとに、セレクトした取扱作家から毎週一作家、今回は2点ご紹介します。

         

        第5回は、猪熊弦一郎(1902年〜1993年)

         

            

        《婦人像》油彩P10号                        《都市生春》油彩F6 1975

         

        猪熊弦一郎は高松に生まれ、20歳で東京美術学校洋画科に入学、藤島武二に師事します。帝展入選などを経て、新制作派協会を設立。

        1938年猪熊35歳の時、夢がかない夫人とともに船でパリへ向かいました。すでに有名になっていた藤田嗣治、岡本太郎など様々なアーティストとの交流が始まったのもこの頃です。

        猪熊は、誰よりも会いたかった憧れの人、アンリ・マティスに会うためニースのアトリエを訪ねます。その1年後、油彩やデッサンを抱えてマティスに見せに行ったところ「きみの絵はうますぎる」といわれます。

        褒め言葉ではなく、自分の絵になっていないという指摘を受けました。マティスへの共感と憧れ、その影響から離れて自分自身の絵をつくることに葛藤し続けます。パリ滞在の2年間に描いた膨大な作品を、その後40年間猪熊はしまい込んだまま発表しませんでした。

         

        渡仏した翌年第二次大戦が始まり、藤田嗣治夫妻と猪熊夫妻は一緒に疎開生活をするほど親しく付き合っていました。藤田の紹介でピカソとも知り合い、マティス、ピカソ、さまざまな巨匠たちの影響が色濃く残る2年間を過ごし1940年に帰国します。

         

        戦後間もない1950年(猪熊48歳)三越の包装紙「華ひらく」をデザイン、斬新な抽象画が生まれます。翌年、JR上野駅の壁画「自由」も完成しました。

         

        1955年(52歳)、画業をやり直すため再びパリへ向かいますが、途中ちょっと立ち寄るつもりだったニューヨークで、そのエネルギーに惹かれ、そのまま20年、72歳になるまでニューヨークに住み続けることになります。

        イサム・ノグチ、ジャスパー・ジョーンズ、マーク・ロスコ、ジョン・レノンとオノ・ヨーコなど、様々な芸術家が猪熊のアトリエに集まり刺激を受け合う日々を過ごします。ニューヨークでの創作活動で、長くもがき続けた具象画を断ち切り、一気に抽象へと移っていきます。

        猪熊は“どんな年になっても挑戦を恐れない勇気”を持っていたのだと思います。

         

        猪熊弦一郎初期の作品《 婦人像 》は東京店にて展示中です。ぜひ、ご覧ください。

        *《都市生春》は福岡店でご覧いただけます。

        https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=&name=%E7%8C%AA%E7%86%8A

        2018.07.27 Friday

        【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介。 第4回は、鴨居玲(1928年〜1985年)

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          JUGEMテーマ:美術鑑賞

           

          みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介していきます。

           

          第4回は、鴨居玲(1928年〜1985年)

           

          『おばあさん』色紙にグアッシュ 1969年 

           

          2015年5月東京ステーションギャラリーを皮切りに4か所の美術館で「鴨居玲展 踊り候(そうら)え」が開催されました。57歳で急逝してから没後30年、「初期から安井賞受賞まで」「スペイン・パリ時代」「神戸時代〜終焉」の3期に分けられ100点近い作品群、厳粛で圧倒的な雰囲気に包まれた展覧会でした。

           

          この『おばあさん』は、第12回安井賞を受賞した1969年(41歳)に描かれました。

          同年に、真っ赤なテーブルの前で、意表を突かれて声も出ないように驚愕した表情の老人3人が描かれた『サイコロ』、『老人と蛾』などが発表されます。前年の1968年芦屋に移り住み、1971年にはスペインに渡りますから、ちょうど絶頂期を迎える頃の作品です。襟元と足の甲の赤色がよく効いています。

           

          「手にデッサンのタコが出来ていないのは画家ではない」というのが鴨居の姿勢でした。自分の興味のある瞬間を画面に留める、徹底的にデッサンすることをパリでもスペインでも欠かしませんでした。おばあさん、酔っぱらいのおじいさん、道化師をたびたび描き、生と死、老い、孤独、愛といった人間の普遍的テーマを画題として描き続けました。

           

          東京店には『おばあさん』を含む鴨居玲作品5点を在庫しており、近日中に新入荷作品2点が加わります。これほど販売可能な作品が充実しているのは、今しかございません。ぜひ、一度ご覧ください。

          https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=&name=%E9%B4%A8%E5%B1%85

          (一部をHPでご紹介しております)

          2018.07.21 Saturday

          【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介。 第3回は、浜田知明(1917年〜2018年)

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            JUGEMテーマ:美術鑑賞

            みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家一覧から毎週1作家、今回は2点ご紹介します。

             

            第3回は、浜田知明(1917年〜2018年)

             

                   

            『初年兵哀歌(檻)』1978 エッチング            

             

             『群盲』1960 エッチング・アクアチント 

             

            浜田知明の代表作としてあげられるのが、1952年自由美術展に出品された『初年兵哀歌』で、その後5年あまりで『初年兵哀歌』とシリーズ名が題された():みぞえ画廊在庫作品や(風景)(歩哨)(黄土地帯)など15点が発表されます。

             

            東京美術学校を卒業後、193921歳で現役兵として入隊。翌年中国に派兵され、194325歳兵役満期で除隊。再び1944年応召、伊豆七島、新島に派遣され終戦で除隊復員します。

            荒廃した中国の戦地に自身が一兵卒として身を晒し、多くの不条理、人間の醜さ、悲惨さ、死と向きあった過酷な体験を、軍務につきながらスケッチに残しました。

             

            版画家として世に出るまでは、東京美術学校で油彩を学んでいましたが、戦地での素描がその後の銅版画制作につながっていきました。

            戦争の傷、心の痛みを抱えながらも、人間の優しさや尊厳を失わず表現された《初年兵哀歌》は、観る者の心に深く刻まれます。思わず目をそむけたくなる緊張感、長く凝視できないと感じながらいったいこれは何なのだ、という疑問が沸き、問いかけられます。軍隊、戦争への抗議が伝わります。

             

            1964年渡欧するまでに、1957年『狂った男』、1960年『群盲』など25点が制作されました。

            その頃、新安保条約と高度成長策、キューバ危機があり、東西の冷戦の激化が進み、作品にはその危機感が反映され、日本社会の変貌への厳しい批判が、風刺として表現されています。

             

            版画、油彩だけでなくブロンズ彫刻も試み、『初年兵哀歌(檻)』のモチーフは1963『檻』と題したブロンズ彫刻になりました。今年3月、「浜田知明100年のまなざし」と題した展覧会が町田市立国際版画美術館で開催され、所蔵品から銅版画90点、彫刻4点が紹介されました。

             

            『初年兵哀歌(檻)』を含む2作品を東京店にて展示・販売中です。ぜひ、ご覧ください。

            *《群盲》は福岡店にてご覧いただけます。https://mizoe-gallery.com/products/detail/1570

             

            浜田知明先生は717日逝去されました。100歳でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

            2018.07.15 Sunday

            リトグラフに関する話題です。

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              JUGEMテーマ:美術鑑賞

               

              現在、武蔵野美術大学美術館(小平市)で《リトグラフ 石のまわりで》と題する展覧会が開かれています。

              会期 〜810日及び818日、19

               

              リトグラフは、木版、銅板のように版面を彫ることはせず、石版石の表面に油性インクで描画して、紙に転写する化学変化を利用した印刷技法です。

              18世紀末、アロイス・ゼネフェルダーは、メモを取ろうと石灰岩に油性インクで書いて、後に硝酸で洗い落とそうとしたところ、クレヨンが残ってしまったという偶然から研究、発展させてリトグラフの技法を開発しました。更にプレス機を作り、紙への転写方法を発明しました。

              しかし石は持ち運びには重いため、のちにジンク版やアルミニウム版が使用されるようになります。

              描くだけで版画ができることから、多様な表現を生み出す方法として多くの画家がリトグラフで制作をしています。

               

              今回、武蔵野美術大学教員によるリトグラフの描画、製版、刷りの公開制作があり、見学してきました。

                

              刷りの時は、水を絶やさずに油性インクをつけたローラーを転がして描画部分にのみインクを付け、紙を乗せて圧をかけて印刷します。刷った版画用紙は、乾かすためにクリップで留めて下げてありました。

              大学ホームページに、赤塚祐二先生、丸山直文先生など制作者と刷りの様子、今後の制作日が載っています。

               

              みぞえ画廊ではこれまでにピカソ、マティスなどのリトグラフを取り扱ってきました。

                

              ピカソ『花のコサージュの女性』        マティス『十人の踊り子シリーズ』

               

              あらたなリトグラフ作品が入荷しましたら、随時ご紹介いたしますのでご期待ください。

              2018.07.13 Friday

              【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介。 第2回は、熊谷守一(1880年〜1970年)。

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                JUGEMテーマ:美術鑑賞

                 

                【東京店】みぞえ画廊のコンセプト「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。

                 

                第2回は、熊谷守一(1880年〜1970年)

                 

                『 猫 』 紙に水墨淡彩 398x494mm 軸装

                 

                201712月〜20183、東京国立近代美術館で「生きるよろこび」と題した熊谷守一の大規模な展覧会が開催されました。『雨滴』、『猫』など代表作を含む200点以上が展示され、ご覧になられた方もいらっしゃるでしょう。

                また、妻と暮らす晩年の守一の日常を、淡々とユーモラスに描いた映画「モリのいる場所」が現在、各地で上映され、あらためて熊谷守一が注目されています。

                 

                熊谷守一といえば、まず思い浮かぶのは、まるで小学生が描いたような輪郭線と、その線を残して一方向に絵具を置いた簡潔で鮮やかな表現の油彩画ですが、他に水墨淡彩の作品も多く描きました。

                 

                守一は猫を飼っていました。いつもスケッチができるように鉛筆とスケッチ帳を腰の袋に入れ、庭で目にした様々な虫たちや草花、猫の姿を素早くスケッチし、白仔猫、くろ猫、三毛猫、眠り猫、斑猫などの個性的な作品が生み出されました。この『は、座布団の上に蹲って何とも気持ちよさそうにすやすやと眠っています。猫にとって居心地の良い家だったのでしょう。眺めている守一にも、穏やかな時間が流れていたのではないでしょうか。

                 

                熊谷守一『 猫 』を東京店にて展示中です。ぜひ、ご覧ください。

                2018.07.07 Saturday

                【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。 第1回は、長谷川利行(1891年〜1940年)

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                  JUGEMテーマ:美術鑑賞

                   

                  【東京店】みぞえ画廊のコンセプト「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。

                   

                  1回は、長谷川利行(1891年〜1940年)

                  「麦酒工場」油彩F10

                  この作品は長谷川利行の画集や展覧会図録にも掲載されています。

                   

                  府中市美術館では「長谷川利行展 七色の東京」(78日まで)が開催されています。

                  1923年(大正12年)「田端変電所」から1939年(昭和14年)「男の顔(自画像)」までの代表作を含む約140点が紹介されています。

                   

                  長谷川利行は30歳頃に京都から上京し、昭和初期の東京下町を転々と歩き回り、荒川の煙突、隅田川や浅草風景、銀座のカフェ、変電所、車庫、駅など鉄道をモチーフにし、遊園地、身近な人々などを描き続けました。上京後、二科展に出品して入選し、徐々に評価されていきます。独学と思われる自由な筆致で、明るく鮮やかに描き、放浪と窮乏生活の末に壮絶な49年の人生を終えたとは想像できないほど、力強くいきいきとした作品の数々です。

                   

                  長谷川利行「麦酒工場」東京店にて展示中です。ぜひ、ご覧ください。

                  https://mizoe-gallery.com/products/detail/1926

                   

                  2018.06.12 Tuesday

                  豊福知徳展開催中です!

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                    豊福知徳展開催中です。

                    大作「光の探求'85」を含む1970年代~90年代の木彫8点の他、ブロンズ、ドローイング作品を展示しています。

                    特徴的な楕円形の穴が穿たれた作品は、一目で世界の豊福による作品と分かり、美術館収蔵作品やパブリックの作品を見たと、お客様からお声をいただきます。

                     

                     

                    豊福知徳先生は、1960年に<漂流>シリーズの一点によって高村光太郎賞を受賞し、同シリーズによってヴェネツィア・ビエンナーレに出品されました。

                    この時、ミラノの画廊が個展を提案してきたことや、木彫の大作が3点も売れたこともあり、35歳であった彫刻家に、無謀にも言語や習慣の違う彼の地での滞在を決意させました。

                    そうして40年余りもの間、ミラノにアトリエを構え活動を続け、作品は今なお国際的に高く評価されています。(※現在は福岡在住)

                     

                     

                    「この穴は何を表現しているんでしょうか?」

                     

                    とお客様に尋ねられることもあります。

                    「彫刻の美を語るのは、薫香について語るようにむづかしい。」とは、彫刻家にして詩人である高村光太郎の言葉。

                    画集にある、豊福先生の文章を引用しましょう。

                     

                    丸鑿で一面に凹みをつけたあと、ふと思いついて裏側から又同じような凹みを彫ってみた。すると、表と裏からの凹みの接点にぽっかりと穴があいた。この偶然の空間的効果にぼくは眼を瞠った。今日までいろんな人から、どの様にして穴というテーマを作り出したかと聞かれるが、偶然に近いこんな試作から生まれたものである。

                     

                     

                    豊福先生は、原則として、機械の力をほとんど使わなかったそうです。「光の探求’85」と題されたこの大作は、体力的にも技術的にも限界を極めたものと語られています。そして、この作品を「虚実空間探求の一つ」と位置づけています。穴が開いているところは、虚となりますが、その虚が作り出す空間もまた、実を成す形となります。「虚と実の空間の入り組んだ状態の面白さを何度も繰り返し試みて来た。」とあるように、生涯にわたって向き合うテーマとなっていました。

                     

                     

                    「光の探求’85」が作る影。お客様の中には、「影が綺麗ですね!」と感嘆の声が上がることもございます。

                     

                    豊福先生は、久留米のご出身で、青年時代は国文学を志していました。1944年、学徒出陣で特別攻撃隊を志願するも、燃料不足などから飛び立つことなく終戦を迎えたのだそうです。

                    敗戦という現実は、当時20歳であった青年にとって言いようのない打撃で、それまであった願望や意思が跡かたなく崩れ去ったように感じられました。

                    成すすべもなく日々を過ごしていたある日、彫刻をやってみるよう勧めたのは、禅寺のお坊さんだったそうです。

                    そうして弟子入りしたのが、大宰府の冨永朝堂その人でした。明治から大正にかけて、高村光雲の流れを汲む伝統的な木彫家で、その当時充実期にあった師は「木の中に棲むような木彫家」と評されていました。

                     

                     

                    長くミラノで制作しながらも、東洋的な造形が現れてくるのも頷けるところです。人物に施された文様は、仏像やギリシャ彫刻の衣装にも見え、それらを超越するかのような淡いを感じさせます。1991年の人物を模した作品にも、胴のところに楕円の穴があけられており、「具象の形の中に僕の三十年に亘った抽象のテーマを盛り込むという、至難の試みの手はじめであった。」と語られています。

                     

                     

                    ちょっと変ったところでは、「やじろべえ」という名の通り、絶妙なバランスでゆらゆらと動く作品も展示しております。

                    豊福作品の要素を完璧に収めたブロンズの小品や、デッサンもご覧いただけます。

                     

                    7月1日までとなっております。久留米が生んだ偉大な彫刻家の軌跡を、是非ともご覧ください。

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                    2018.06.02 Saturday

                    西洋名画コレクション展 

                    0

                      みぞえ画廊創業10周年記念

                        〈 西洋名画コレクション展 〉その2

                       

                      今日は版画作品のご紹介をします。まずピカソ。

                      リトグラフ、銅版画、リノカット、3種類の技法を比較してご覧になれます。

                       

                        

                       

                      エッチング〈脚を曲げる裸婦〉1931年 「スウィート・ヴォラール」100点の連作より

                      リトグラフ〈花のコサージュの女性〉1957年 2番目の妻ジャクリーヌを描いた1

                      リノカット〈ダンサー〉1965年 

                       

                      浮世絵のような木版画は、図柄に合わせて何枚もの版木を彫り、1枚の紙を版木に置いて

                      刷り、次の版木に置いて刷り、という工程を繰り返して色を重ねていきます。

                       

                      リノカットは、リノリウム板を彫って刷る技法です。

                      マチスやミロもリノリウムを使って制作しましたが1色1版の版画でした。

                      ところがピカソは、リノリウムを彫って1色刷る、更にその版を彫って別の色を刷る、と

                      いうことを繰り返し、リノリウム1枚しか使わずに多色刷りして制作しました。

                      刷り上がりの最終図版を思い描き、逆の順番で最初から彫っていく、というピカソ独特の

                      方法を編み出したのです。

                       

                      〈帽子を被る女性の胸像〉〈ランプの下の静物〉などピカソはリノカット多色刷りの

                      素晴らしい作品を残しています。いつかどこかで目に留められることがあるかもしれ

                      ません。

                             

                       

                      1958年頃からピカソは南フランスに移り、それまで制作していたムルロー版画工房での

                      リトグラフ制作が難しくなります。ちょうどその頃に出会ったのが若い印刷工アルネラ

                      でした。リノリウムを彫ると翌朝には刷りあがっている、その速さに喜んだピカソは

                      リノカットに夢中になった、と書かれている本を読んだことがあります。

                       

                       

                      版画紙面の右上に数字が入っています。

                      ピカソが初めて版画制作を試みた時、刷り上がった作品を見て「数字がさかさまだ!」と

                      驚いたのだそうです。版画は描いたものが左右反転して刷り上がることを想像してい

                      かったのです。それでも気にせず制作年を書き込んだので、さかさまの制作年がよく

                      見られます。これは19571217日に制作したジャクリーヌの横顔です。

                       

                       

                       

                      マティス「十人の踊り子シリーズ」の中の1点などぜひお薦めしたい作品がございます。

                       

                      「西洋名画コレクション展」は624日(日)まで 開催しておりますので

                       どうぞお出かけください。お待ちしています。

                       

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