美の巨人たち、吉村芳生とその追憶
昨夜、テレビ東京系で”美の巨人たち”が放映されました。特集された"今日の一枚"は…吉村芳生の「新聞と自画像」。北京オリンピックの歓声が聞こえそうな新聞記事と、その上に描かれた自画像はすべて手で描かれています。実はその作品、みぞえ画廊が所蔵させて頂いているもののひとつです。実際は80号と大きな作品ですが、吉村大星さんは新聞の実寸で描画技法を見事に再現されていらっしゃいました。特に細部の一字一句や模様はとてつもない集中力との闘い、そしてアトリエでずっと見てきたお父様の後ろ姿をご自身に宿らせていたのではと…放送を見ながら想像を膨らませていました 。
みぞえ画廊と吉村芳生氏の出会いはかれこれ10年前にさかのぼります。2010年に最初で最後の個展を開きました。その時にケシやコスモスの"花"シリーズの大作、そしてテレビ放映された手描きの"新聞と自画像"シリーズを展示しました。吉村氏には在廊いただき、福岡店でギャラリートークをしていただきました。スタッフの誰ひとりとして、その後の早すぎる訃報はまったく想像すらしていませんでした。
吉村氏がファーバーカステル社の色鉛筆を愛用されていたご縁で、没後2014年にファーバーカステル8代目伯爵
吉村芳生氏とのはじまりから今日まで、過去の当ブログの記事から思い出を振り返りたいと思います。
▶2010.07.24 吉村先生によるギャラリートーク
▶2010.07.30 吉村芳生展、二階のご紹介
▶2010.08.07 吉村芳生展も残すところ2日となりました。
▶2010.08.09 吉村芳生展 会期終了いたしました。
▶2010.11.20 山口県立美術館・吉村芳生展に行きました。
▶2011.01.23 吉村芳生先生が出品するグループ展のお知らせ
▶2017.10.27 吉村芳生先生とファーバーカステル社との絆を繋いで
そして没後5年たった今年、東京ステーションギャラリーでの大回顧展「吉村芳生 超絶技巧を超えて」は会期を終了し、巡回で広島の奥田元宋・小由女美術館にて2019年2月22日(金)〜4月7日(日)に開催予定となります。
そして、みぞえ画廊では東京店の個展を終え、次は福岡店にて3月に吉村芳生氏の個展を開催いたします。ご興味を持たれた方は、まず回顧展をご覧いただき、その偉業のかけらを手元に残したいと思われた方は是非、みぞえ画廊へご来廊くださいませ。
【東京店】1月27日まで開催中の吉村芳生展 この週末で終了です。
JUGEMテーマ:展覧会
- 吉村芳生展ー新聞と自画像ー
2019年 1月12日(土)〜1月27日(日)
10:00〜18:00 会期中無休
会場 みぞえ画廊 東京店
1月20日に大好評のうちに終了した東京ステーションギャラリーでの「吉村芳生 超絶技巧を超えて」。没後5年、待望の東京での回顧展となり、新聞各紙で取り上げられ、この作家について広く知られるようになった大変よい機会でした。みぞえ画廊東京店でも「新聞と自画像」と題した展覧会をこの週末まで開催中です。画廊での仕事で、楽しいことのひとつに、「あまり知らなかった作家について深く知る」ことがありますが、この作家がまさにそれに該当します。一言で言い表すと「執念のひと」だと感じています。 - 2011年、意気揚々と還暦を過ぎて初めての海外留学で向かったパリで描いたのは、現地の新聞にひたすら鉛筆で描いた1000枚を超える自画像。数時間で1枚、1日に数枚描いていたという自画像。1〜1000枚までは、東京ステーションギャラリーにて展示していました(壁に展示できない分は、ガラスケースに積まれて)。1000枚以降の自画像が、東京店の和室に30数枚展示中です。吉村作品については、いくつかの側面がありますが、この自画像シリーズは、ある種のコンセプチュアル・アート作品のような気がしています。河原温のデイト・ぺインティングのような、同じフォーマットを繰り返し継続するような、でもまったく違う気もしています。「描くこと」が息をするような感じなのかとも思えるような、、。
- 自画像ひとつひとつ見ていくと、それぞれ、新聞の内容にも違いがあり、なにか選んだ意図があるような気がして、それがまた、面白く感じます。明日から残り4日です。みなさまのお越しをお待ちしております。YM
- i の「点」の部分を目にした紙面
- アメリカの至宝 エドワード・ホッパーの代表作『ナイト・ホーク』がフランスの新聞に掲載されている紙面
- バイクにまたがったボンテージの女性が掲載された紙面
- オバマ元大統領と元フランス大統領が掲載された紙面
- 震災の象徴的な写真が掲載された紙面
- 3点だけ花の作品も展示中(非売品)。
よしむら よしお/1950年山口県防府市生まれ。’71年山口芸術短期大学を卒業。’79年創形美術学校(東京都)を卒業。’85年山口市徳地に移住。2007年山口県展(山口県立美術館)で大賞受賞。「六本木クロッシング 2007:未来への脈動」(森美術館)に出品。’09年「吉村芳生展 煉獄の茶室」(山口県立萩美術館・浦上記念館)。’10年「吉村芳生展 とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」(山口県立美術館)。’11年パリに1年間滞在。2013年12月6日逝去。
吉村芳生先生とファーバーカステル社との絆を繋いで
10月25日、銀座伊東屋にて、9代目ファーバーカステル伯爵の初来日
参加してきました。ファーバーカステルと言えば、
高品質で色彩あふれる色鉛筆で知られるドイツの筆記用具メー
2013年12月に惜しまれながら亡くなられた吉村芳生
100種類以上使って、
作品≪ケシ≫と吉村先生(2010年)
吉村先生の没後、2014年に来日された先代の8代目伯爵
大変衝撃を受けられ、いつか吉村先生の夢であった、
展覧会を開催しようと誓い合いました。
その後体調を崩された伯爵ですが、2015年の銀座伊東屋オープニ
作品展示を依頼していただいたりと、
その伯爵も2016年1月、病に倒れられました。
8代目ファーバーカステル伯爵と阿部専務(作品≪コスモス≫の前で、2014年)
吉村先生の奥様春美さんとご長男の大星さんとともに(銀座伊東屋のイベントにて、2015年)
この度9代目伯爵が来日されると聞き、
スケジュールの都合で来廊は叶わず、イベント会場に「フジ」
できました。その描写力に大変感動され、
9代目ファーバーカステル伯爵と作品≪フジ≫ (銀座伊東屋のイベントにて、2017年)
来年には、
ファーバーカステル社との今後の新たな展開をまたお知らせさせて
吉村先生と誓ったドイツでの展覧会に、また一歩近づいて来た気がし
吉村芳生先生が出品するグループ展のお知らせ
http://yoshimurayoshio.com/contents/exhibithion.html
東広島市立美術館 特別企画展
現代の造形-Life&Art-
半農半アート−水ありて−
【会期】2011年2月4日(金)〜3月21日(月・祝)
【会場】東広島市立美術館
【開館時間】10:00-17:00(入館は16:30まで)
【休刊日】月曜日(但し、3月21日|月・振|は開館)
【観覧料】一般600円(500円)/大学生400円(300円)※()内は20人以上の団体料金
東広島市立美術館の特設ページ http://www.hhcmoa-ss.net/artmeetsagiculture/Index.html
<記念講演会>「半農半Xという生き方 ?農とアートで21世紀最先端な暮らしを育む?」
「半農半X」提唱者の塩見直紀さんによる講演会
講師:塩見直紀(半農半X研究所代表/コンセプトフォーエックス代表)
日時:3月5日|土|14:00―15:30
会場:八本松公民館大ホール(美術館南隣)
塩見直紀(しおみ なおき)
1965年、京都府綾部市生まれ。屋久島在住の作家・翻訳家・星川淳さんのライフスタイル「半農半著」にインスパイアされ、30歳になる1995年ころから21世紀の生き方、暮らし方として、「半農半X」というコンセプトを提唱している。市町村から個人までの「エックス=天職)」を応援する「ミッションサポート」と「コンセプトメイク」がライフワーク。 現在、京都府綾部市在住。
ホームページ http://www.towanoe.jp/xseed/
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半農半Xという考え方が、新しくて興味深いですね。
興味のある方は是非、春の計画に入れてみてくださいね^^
スタッフ・あかり
山口県立美術館・吉村芳生展に行きました。
先日私たちが見に行ったところ、とても賑わっていました。
新作の菜の花の大作は壁一面の大きさで、かなりの迫力があり、会場に訪れた方々が驚かれていました。(長さはなんと10M!!)
他に、過去の鉛筆の作品なども一斉に展示され、今までの制作の流れを感じられるような展示になっています。
私は先生の「時間の経過・蓄積などへの強い関心」を感じました。
また、制作の環境が変わったことによって制作自体にも大きな変化があったことは知っていましたが、実際に一連の作品を見て、さらにその印象を深めました。
これからまた制作環境が変わった時に、どのような変化があるのかとても楽しみですね^^
自画像のシリーズがポスターに使われたこともあり、お客さんが先生に話しかけてくることが数回ありました。
街に点在する個展ののぼり・・・
先生、大人気です^^
山口県は陸路でも意外と近い(2時間前後)ので、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
----------------------------スタッフ・あかり
吉村芳生展 会期終了いたしました。
お母様に画集を買ってもらっていたお子様が、日を分けてもう一度今回の展示を見に来られたのが印象的でした。
その時はお父様がお連れになられ、「息子にせがまれて」と仰っていました。
心温まるひとときでした^^(もちろんお父様も花の世界を堪能して帰られました)
古典的な画材で、現代的な作風を確立されているためか、幅広い層から反響のある企画展となりました。
これからも楽しみですね。
搬出後、準備が整いましたら常設展を開催致します。
また、21日から夏の得選展も予定しております。
是非足を運ばれてください。
搬出中…夢のあとのよう。
-------------------------------スタッフ・あかり
吉村芳生展も残すところ2日となりました。
二階で販売しているシルクスクリーンとコピーが人気です。
↓あらゆる現象のはじめと終わり 阿吽の自画像/シルクスクリーン
「友達がこれを買ってきて見せてくれて、どうしても来たくなった」と言って来られたお客さまもいたほど。
↓ジャパンタイムス 限定10,000部・サイン、ナンバー入り/手描きのコピー
印刷物を一度手描きにおこして、それをまた10,000部印刷したもの。
記念にいかがですか?見た目にもおしゃれですね。
画集もございますので、見本をお手に取られてみてください。色鉛筆による作家のサイン入りです。
お子様が画集を手にとって熱心に眺めるのを見て、ご購入されたお客様がいらっしゃいました。
絵本のような感覚なのかもしれませんね。
また、本日から8日まで、11:00〜18:00の間、カリフォルニアワイン試飲会を実施しております。
絵画を堪能した後にワインを一口。
休日をちょっぴり優雅にしてみませんか?お気軽にお試しくださいませ。
吉村芳生展もあと2日となりました。皆様、お見逃しなく!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−スタッフ・あかり
吉村芳生展、二階のご紹介
暑い日が続きますね。
吉村芳生展の経過をお知らせします。
今回は2階の自画像の世界を少しだけご紹介。
毎日新聞
紙に鉛筆 1976年
こちら、活字の一つ一つ、手描きです。
というと皆さん驚かれます。
思わず吹き出す方もいらっしゃいます。
「どうしてやったんだろう?」と想像を巡らせてしまいますね。
ご本人が言うには、「特に意味はなかった」そうです。「描くものがないので、新聞紙と自画像を毎日描いていた」とのこと。一日の朝刊を映しとるのに2年を費やしたのだとか・・・。
毎日描かなければ という思いが強かったために始まったシリーズ。
「新聞と自画像シリーズ」
「新聞」=「世の中を映す鏡」として、そこに映る自身の顔を描いたもの。こちらも手描きの新聞。
どうやって描いているのかと質問してみると、ご家族が吉村さんの顔の写真をとっているそうです。
そう言われると、一つ一つの表情から、撮影時のやり取りが想像できて面白いですね。
こういった制作の後、色鉛筆で花を描くシリーズへと展開したことを考えると、「継続」「積み重ね」といったものの凄みが増してくるような気がします。
確かにこれは、誰も真似できない。
←吉村さんが使われている色鉛筆。ドイツ製、重ね塗りが可能。
吉村芳生展、8月8日まで無休で開廊しております。
是非お立ち寄りください。
吉村先生によるギャラリートーク
今日は吉村芳生さんによるギャラリートークが行われました。
お花の絵は大きいものは半年かけて制作されるそうです。
ドイツ製の色鉛筆を約200色使い分け、塗り重ねて色を出していくそうです。
また、作品の中で白く塗り重ねてあるようにみえる部分は、
塗り残して紙の白を出している状態から、薄い色の色鉛筆で描きこんでいるのだとか。
新聞と自画像シリーズでは、「50年後の人たちに見てほしい作品」といったような、作品のコンセプチュアルな部分をお聞きすることができました。
時間の経過が作品を育てていく という言葉が印象的でした。
そして終盤には、先生に秘密で用意したお誕生日ケーキとお花が登場しました。
ちょうど還暦のお誕生日です。おめでとうございます!
お帰りの際に、自画像のシルクスクリーンや、新聞の模写のコピーなどをお求めになるお客様もいらっしゃいました。
ご満足いただけたようで喜ばしい限りですね^^
吉村芳生展、8月8日まで会期中無休で運営しております。
是非見にいらしてくださいね!
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