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2020.09.02 Wednesday

【福岡店】 野見山暁治展―絵描きと絵の旅路―を開催中です

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    みなさまこの夏はいかがお過ごしでしょうか。

    9月に入った途端に蒸し暑い日が続いています。福岡には大型台風10号が近づいています。

    そんな中、みぞえ画廊 福岡店では「野見山暁治展―絵描きと絵の旅路―」を開催しております。

     

    きっかけは、とある野見山暁治コレクション。縁あって、私たちの元にやってきました。

     

     

     

     

     


    戦後間もない頃の作品からパリ時代を含む、1940年代から90年代迄の油彩、水彩約45点。そこには、絵描きの歩んできた道のりと、夢や希望がたくさん詰まっていたのです。今年100歳を迎える画家、野見山暁治が見てきた世界を心ゆくまでご覧ください。エッセイ・書籍から抜粋した氏の文章とともに作品をいくつかご紹介します。

     

    まずは、本展覧会で一番古い作品となるこちらの油彩画です。終戦から約1年後に描かれています。

     

     

    『関門海峡』
    油彩 1946年作 F10号

     

    「関門海峡を見下ろす丘の上で、ぼくは手にした美術雑誌を拡げ、黒く塗り込めた裸のカラー図版を見た。
    国が滅びて二、三年たつ。ろくに食べる物も、着る物もなく、絵具は容易に手に入らないのに、これからは文化国家。絵描きは絵を描くなり、気儘にやれと言われても、この先どうなるのか、だれにもわからぬ恐ろしさだった。どこを歩いても焼け野が原だ。こんな残骸をどう描けば風景として、明日につながるのか。」
    (麻生三郎−「ひとり」が描かれた頃 『異郷のひだまり』 生活の友社、2011年)

     

    1952〜64年の滞仏時代の素描や油彩も豊富に展示しています。1ヵ月かけて舟で日本からフランスへ渡ったのち、最初の1年は油彩を描かずパリやその近郊を見てまわっていたそうです。

     

     

     

    『ヴァンス』
    油彩 1954年 32.7 x 50.2 cm 

     

    パリとは太陽の輝きが違う。ニースの学生宿を根城にして、終日泳いだり寝転んだり、浜辺に倦きると近くの小高いヴァンスの街に出かけて、強い日差しの中をマチスの教会で贅沢な涼しさを味わった。
    ( 二年目の夏 『いつも今日  私の履歴書』 日本経済新聞社、2005年)

     

    そして、帰国する数年前に氏はパリのギメ東洋美術館で一枚の北宋画と出会います。

    その頃から描かれる線は、一見すると水墨画のようにも見えるとてもやわらかい筆に変化していきます。

     

     

     

     

    『樹』
    油彩 1963年 M40号

    岩とも山ともつかない大きなものにへばりついている樹々、水の流れ、いやなにか血管のような、葉脈のようなもの、西洋の風景が表現している具現性には乏しいが、それを超えて薄気味悪い、うごめくような命がある。
    自身、東洋人でありながら、いまいる地球の裏っかわにそんな国があることに初めて気づいた。
    (ミュゼ・ギメー 『いつも今日  私の履歴書』 日本経済新聞社、2005年)

     

     

    『オランダの風景』
    油彩 1963年 P15号

    見えるモノの正体を突きとめること。モノそれ自体は現実だが、その具体性というのが、ぼくにはよく分らない。それは仮装なのか、暗示なのか、あるいは現象として消えてゆく姿なのか。いずれにしてもぼくが描いているのは風景だ。
    (絵を描くこと 『野見山暁治作品集』 講談社、1994年)

     

     

     

    案内状に書かれた予告通り、8月22日の初日、野見山暁治先生が16時から画廊にいらっしゃるということで、テレビ局・新聞社の各メディアも取材に訪れていました。

     

     

    20代の頃に描いた油彩画と野見山暁治先生。今年で100歳になる氏の来訪に、画廊にはたくさんのお客様が駆けつけて下さいました。暑い中お越しいただいた皆様、本当にありがとうございます。

     

     

    お客様おひとりおひとりに丁寧に挨拶や写真撮影、サインに応じられて、その後の新聞各社のインタビューには疲れた顔ひとつ見せず、展示中の作品について、時代背景やその時の胸中を語られました。

     

     

     

    2階はリトグラフィ集「On y va (オニバ)」と「Ca et la(サエラ)」より数点を額装して展示しています。先生がリトグラフ工房に足しげく通い丹念に制作された、味わい深い版画作品を楽しんでいただけます。

     

    さらに、野見山暁治先生のエッセイやアトリエ日記の書籍も画廊にて販売中です!

     

     

    「ただ描いていたら歳月がたった。ぼくが歳月を踏みこえたわけではない。」

     

    作品集にはそんな言葉が記されています。

    本展覧会では画家 野見山暁治が駆け抜けた半生を、作品を通してたどっていただけると思います。会期終了後もコレクションはそのままみぞえ画廊にございますので、気になる作品があれば気軽にお問合せください。

    →野見山暁治展の作品を観る

     

     

    現在、福岡県立美術館では9月27日まで野見山暁治の水彩・素描の展覧会も開催されています。みぞえ画廊の展覧会の前後に合わせてご覧ください。

     

    さらに、福岡の街にはパブリックアートとして氏が手掛けたステンドグラス作品を見ることができます。近くを通りかかった際は足を止めてその存在感を体感してみてください。

     

    福岡空港「そらの港」

    博多駅「海の向こうから」

    飯塚市役所 「還ってくる日」

     

     

     

    飯塚市役所のエントランスロビーのステンドグラスの写真 (↑)と

    そのメイキングインタビューの動画 (↓)です。

     

     

    野見山暁治 (のみやま ぎょうじ)
    1920年福岡県生まれ。
    東京美術学校油画科卒。’52〜’64年滞仏。安井賞。’68〜’81年東京芸術大学奉職。芸術選奨文部大臣賞。福岡県文化賞。毎日芸術賞。文化功労者。’14年文化勲章。

     

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