2019.02.03 Sunday

美の巨人たち、吉村芳生とその追憶

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    昨夜、テレビ東京系で”美の巨人たち”が放映されました。特集された"今日の一枚"は…吉村芳生の「新聞と自画像」。北京オリンピックの歓声が聞こえそうな新聞記事と、その上に描かれた自画像はすべて手で描かれています。実はその作品、みぞえ画廊が所蔵させて頂いているもののひとつです。実際は80号と大きな作品ですが、吉村大星さんは新聞の実寸で描画技法を見事に再現されていらっしゃいました。特に細部の一字一句や模様はとてつもない集中力との闘い、そしてアトリエでずっと見てきたお父様の後ろ姿をご自身に宿らせていたのではと…放送を見ながら想像を膨らませていました 。

     

     

    みぞえ画廊と吉村芳生氏の出会いはかれこれ10年前にさかのぼります。2010年に最初で最後の個展を開きました。その時にケシやコスモスの"花"シリーズの大作、そしてテレビ放映された手描きの"新聞と自画像"シリーズを展示しました。吉村氏には在廊いただき、福岡店でギャラリートークをしていただきました。スタッフの誰ひとりとして、その後の早すぎる訃報はまったく想像すらしていませんでした。

     

    吉村氏がファーバーカステル社の色鉛筆を愛用されていたご縁で、没後2014年にファーバーカステル8代目伯爵が来日し、吉村氏の作品を見に東京店へ来廊されたこともありました。

     

    吉村芳生氏とのはじまりから今日まで、過去の当ブログの記事から思い出を振り返りたいと思います。

     

    2010.07.24 吉村先生によるギャラリートーク
    2010.07.30 吉村芳生展、二階のご紹介
    2010.08.07 吉村芳生展も残すところ2日となりました。
    2010.08.09 吉村芳生展 会期終了いたしました。
    2010.11.20 山口県立美術館・吉村芳生展に行きました。
    2011.01.23 吉村芳生先生が出品するグループ展のお知らせ
    2017.10.27 吉村芳生先生とファーバーカステル社との絆を繋いで

     

    そして没後5年たった今年、東京ステーションギャラリーでの大回顧展「吉村芳生 超絶技巧を超えて」は会期を終了し、巡回で広島の奥田元宋・小由女美術館にて2019年2月22日(金)〜4月7日(日)に開催予定となります。

     

    そして、みぞえ画廊では東京店の個展を終え、次は福岡店にて3月に吉村芳生氏の個展を開催いたします。ご興味を持たれた方は、まず回顧展をご覧いただき、その偉業のかけらを手元に残したいと思われた方は是非、みぞえ画廊へご来廊くださいませ。

     

    吉村芳生 超絶技巧を超えて 広島展

    画家吉村芳生公式WEBサイト

    2019.01.30 Wednesday

    【福岡店】 新春名品展を開催中です

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      JUGEMテーマ:展覧会

       

      新春名品展

       

      1月に入ってグッと冷え込んできましたが、冬のからっとした晴天は気持ちが良いものですね。みぞえ画廊 福岡店では、2019年最初の展覧会「新春名品展」を開催中です。新着作品を中心とした東西の名作を一同に会する名品展としております。

       

      今回の展覧会では"彫刻"を特別展示とさせていただきました。

       

      新春名品展
       

      新春名品展

       

      スイスの彫刻家、アルベルト・ジャコメッティのブロンズ作品「ディエゴの胸像」です。1956年に作られたもので、高さ36.2cm、日本初公開となる彫刻作品です。ジャコメッティの創作活動を献身的に支えた1歳下の弟、ディエゴがモデルを務めています。

       

      また、国内作家の特集として「鴨居玲・熊谷守一」を数点展示しております。

       

      新春名品展

       

      鴨居 玲(かもい れい)

      …生と死、老い、孤独、愛といった人間の普遍的テーマを画題として描き続けた画家です。鴨居の持つ社交的で気さくな人柄とは反する、仄暗く揺さぶりをかけるような表情の人物画が特徴的です。最後は自殺未遂を繰り返した末に心臓病と排ガスにより57歳で亡くなりました。

      →作家について詳しく解説しております

       

      鴨居玲は3作品を展示中です。すべて人物の横顔で似た構図の作品ですが、右から1973年、1965年、1984年…と時を経て画風が変化していくのがわかります。

       

      新春名品展

       

      スペインやパリなど国外で活動した影響か、直筆サインのスペルが変わっているのも見ていただけます。

       

      新春名品展

       

      新春名品展

       

      熊谷 守一 (くまがい もりかず)
      …あたたかい色彩と要素を削いだシンプルな作風で知られています。「へたも絵のうち」と言葉を残しました。晩年はほとんど外出することもなく日がな1日、自宅の庭の草木や虫や猫を眺め続け、その観察眼により創作に励みました。貧困や家族の死を経てなお己の生に対して貪欲であり続けた画家です。

       

      熊谷は大きな作品はほとんど描かなかったそうです。独特のマチエールで描く油彩画を2点、猫の水墨画を1点展示しております。

       

      新春名品展

       

      新春名品展

       

      新春名品展

       

      浜田知明の版画と彫刻も展示中です。初年兵として耐えた戦争体験をもとに、社会の不条理を冷たくユーモラスに表現しています。海外作家はパブロ・ピカソの版画(エッチングとリノカット)、パウル・クレー、ベン・シャーンの新着作品などもございます。

       

      新春名品展は2月17日(日)までの開催となります。皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げております。

       

       

      ┃出品作家
      アルベルト・ジャコメッティ、パブロ・ピカソ、パウル・クレー、ベン・シャーン、
      熊谷守一、鴨居玲、坂本繁二郎、梅原龍三郎、長谷川利行、児島善三郎、林武、中村研一、中村琢二、
      野田英夫、猪熊弦一郎、糸園和三郎、福井良之助、平野遼、織田廣喜、浜田知明、他

      2019.01.29 Tuesday

      【福岡店】博多阪急×アートフェアアジア福岡Catch Good Signs!

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        1月16日(水)から6日間、「博多阪急×アートフェアアジア福岡Catch Good Signs!」が開催されました。

         

         

        博多阪急と、九州最大のギャラリーショー「アートフェアアジア福岡」がタイアップ。「アートフェアアジア福岡2018」に出展した中から、現代アート界をリードするギャラリーによって厳選された作品を展示販売しました。

        博多は、県外や海外からの玄関にもなっており、たくさんの方々が足を止めてごらんになって下さいました。博多阪急1Fの入り口正面で、1日1万人が通るそうです。

        あまりアートに馴染みのない方には、なんだろう?と興味を持っていただけたり、こんなところであのアーティストの作品が見れるなんて!と驚く方もいたり、作品との新鮮な出会いをお楽しみいただけました。日常的に利用している空間で展示されたアート作品をご覧いただき、アートを身近に感じて頂くきっかけになれば幸いでございます。

         

        みぞえ画廊からは、田部光子先生、豊福知徳先生、宮甲先生、永武先生の作品を展示いたしました。

         

        昭和 30 年代より九州の現代アートの最前線を走り続ける田部光子先生の作品。長くテーマにしている林檎には様々な意味が込められています。2016年には福岡県文化賞を受賞されました。

         

        「I LOVE THE EARTH」「健康作品」

         

        福岡市の博多港引揚記念碑「那の津往還」などの作品で知られる世界的彫刻家、豊福知徳先生の作品。昨年、新しく豊福知徳ギャラリーもオープンしました。

         

        「立像」

         

        蝋(ろう)を用いて直接原型を作る伝統技法「蝋型鋳造法」を駆使して制作する、宮甲先生。鋳造の修行で訪れたトスカーナにて、スケッチのような感覚で作られた立体作品。

         

        「丘の風(トスカーナ彫刻スケッチ)」

         

        糸島にアトリエを構える永武先生は、油彩とテンペラの混合技法による平面作品が主な仕事でありながら、廃材と流木を組み合わせたオブジェも人気です。現在は西叡山高山寺の天井画の制作に取り組まれています。

         

        「叫ぶドレス」

         

        今回出品のギャラリー/出品作家は、以下の通りです。

         

        画廊香月/安元亮祐、堀越千秋

        gallery UG/野原 邦彦

        Gallery Seek/管 かおる、原田武

        Nii Fine Arts/国本 泰英

        GALLERY小暮/クラトミタカユキ、上路 市剛

        YOD Gallery/小林 達史

        The Tolman Collection,Tokyo/篠田 桃紅

        ときの忘れもの/Bob WILLOUGHBY、松本竣介

        KOKI ARTS/Mario Trejo

        Gallery MORYTA/Season Lao、三津木晶、高木健多、川崎泰史

        みぞえ画廊/田部 光子、豊福知徳、宮甲、永武

        福岡日動画廊/柏本 龍太、米田和恵

        *順不同

         

        また、アートフェアアジア福岡2019は、9月6日(金)ー9月8日(日)に開催することが決定しております。

        是非ご覧ください。

        2019.01.26 Saturday

        【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。第17回は、櫻井孝美(さくらいたかよし 1944年〜)

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          JUGEMテーマ:美術鑑賞

           

          みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。今回は今まさに活躍中の現代作家を取り上げます。

           

          第17回は、櫻井孝美 (さくらいたかよし 1944年〜  )

           

                            富嶽・寧 』油彩3

           

          2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生は、櫻井孝美作品集「煌く日々」(生活の友社刊)の冒頭にこんな言葉を寄せておられます。

          「世界中を見渡しても見られないであろう、浴室で楽しむ家族をモチーフにした作品群があった。こんな絵を描く作家に出会ったことはなかった… 40歳代前半の櫻井氏は第31回安井賞、第22回昭和会賞など、立て続けに大きな賞を受賞していた時期だったが、山梨県下でこのような作家が活動していたことを知らずにいた。美術に関心のある私にとって、甚だ不明の極みである。それだけに第一印象は強烈であった。独創性と色彩感覚、それに表現力を極めた作家の作品は、多くの者の関心を呼び起こし、話題が多い」

           

          『家族』、『浴室』以外に、『富士山』を描いた作品群があります。

          23(1967)の春、富士吉田に移り住みました。「この山の完璧な容姿に絶句し、私はすぐにこの感動をキャンバスに向け挑戦した。しかし、いとも簡単に突き放され、跳ね飛ばされた」以来、四季折々の富士山を眺め、富士を描きたいと挑戦し続けました。「いちいち説明できるような深い意味などない。何かの喜びや憧れがひたすら後押ししてくれる」と語る櫻井孝美の作品は、弾けるようなエネルギーに溢れ、穏やかな笑顔を湛えた姿のどこからそんなバイタリティが沸いてくるのかと思わされます。

           

          1976年、日大芸術学部美術学科卒業生により「土日会」が発足しました。土に根差して日に向かって伸びていこうという意味で糸園和三郎が名付けた「土日会」の、櫻井孝美は代表を務めています。

          北里大学看護専門学校内大村記念館エントランスホールの真正面には500号の大作『マンハッタン陽々』が展示され、来館者の心を一気に惹きつけます。

           

          底抜けに明るい色彩、破天荒な空間、解放感、太古のエネルギーを持った『富士山』をぜひ感じていただきたいと思います。 

          櫻井孝美の油彩『富嶽・寧は田園調布ギャラリーにてご覧いただけます。

          https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=&name=%E6%AB%BB%E4%BA%95%E5%AD%9D%E7%BE%8E

          2019.01.23 Wednesday

          【東京店】1月27日まで開催中の吉村芳生展 この週末で終了です。

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            JUGEMテーマ:展覧会

             

            吉村芳生展ー新聞と自画像ー
            2019年 1月12日(土)〜1月27日(日)


            10:00〜18:00 会期中無休
            会場 みぞえ画廊 東京店

            1月20日に大好評のうちに終了した東京ステーションギャラリーでの「吉村芳生 超絶技巧を超えて」。没後5年、待望の東京での回顧展となり、新聞各紙で取り上げられ、この作家について広く知られるようになった大変よい機会でした。みぞえ画廊東京店でも「新聞と自画像」と題した展覧会をこの週末まで開催中です。画廊での仕事で、楽しいことのひとつに、「あまり知らなかった作家について深く知る」ことがありますが、この作家がまさにそれに該当します。一言で言い表すと「執念のひと」だと感じています。
            2011年、意気揚々と還暦を過ぎて初めての海外留学で向かったパリで描いたのは、現地の新聞にひたすら鉛筆で描いた1000枚を超える自画像。数時間で1枚、1日に数枚描いていたという自画像。1〜1000枚までは、東京ステーションギャラリーにて展示していました(壁に展示できない分は、ガラスケースに積まれて)。1000枚以降の自画像が、東京店の和室に30数枚展示中です。吉村作品については、いくつかの側面がありますが、この自画像シリーズは、ある種のコンセプチュアル・アート作品のような気がしています。河原温のデイト・ぺインティングのような、同じフォーマットを繰り返し継続するような、でもまったく違う気もしています。「描くこと」が息をするような感じなのかとも思えるような、、。
            自画像ひとつひとつ見ていくと、それぞれ、新聞の内容にも違いがあり、なにか選んだ意図があるような気がして、それがまた、面白く感じます。明日から残り4日です。みなさまのお越しをお待ちしております。YM
                
            i の「点」の部分を目にした紙面
            アメリカの至宝 エドワード・ホッパーの代表作『ナイト・ホーク』がフランスの新聞に掲載されている紙面
            バイクにまたがったボンテージの女性が掲載された紙面
            オバマ元大統領と元フランス大統領が掲載された紙面
            震災の象徴的な写真が掲載された紙面
                 
            3点だけ花の作品も展示中(非売品)。

            よしむら よしお/1950年山口県防府市生まれ。’71年山口芸術短期大学を卒業。’79年創形美術学校(東京都)を卒業。’85年山口市徳地に移住。2007年山口県展(山口県立美術館)で大賞受賞。「六本木クロッシング 2007:未来への脈動」(森美術館)に出品。’09年「吉村芳生展 煉獄の茶室」(山口県立萩美術館・浦上記念館)。’10年「吉村芳生展 とがった鉛筆で日々をうつしつづける私」(山口県立美術館)。’11年パリに1年間滞在。2013年12月6日逝去。

             

            2018.12.23 Sunday

            【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第16回は、田部光子(1933年〜  )

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              JUGEMテーマ:美術鑑賞

              みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。今回は今まさに活躍中の現代作家を取り上げます。

              第16回は、田部光子(1933年〜  )

               

               

              I Love The Earth 供別擇北彩、アクリル、純金箔、石膏、コラージュ)

               

              『I Love The Earth 供戮蓮⊇禧眷鵑両紊法地球を取り巻く惑星、植物、薔薇、天使など図版を切り取ってコラージュ、四隅に金箔の林檎。手話で〈永遠の愛〉を表す石膏の手が取り付けられた作品です。

               

              庭で育ったリンゴを石膏で型取りオブジェにして、金箔を貼りつめた箱の中央に金箔の林檎を置いて、An apple a day keeps the doctor away(1日1個のリンゴで医者いらず)と記した「健康作品」など、長く続く「リンゴ」シリーズがあります。田部光子は「わたしにとって林檎は一つの宇宙である」と語っています。

               

              2001年9月ニューヨークで個展が開かれるはずでした。画廊に作品が到着したのは、9.11のテロが起こる前日のこと。渡米することは叶わず、作家不在のまま個展は開催されました。同時多発テロの直後、戦争は問題を解決する答えではない、と芸術の力で訴える作品「テロに勝つ」と題した屏風を模した4枚のキャンバスを発表。そこにも「いつも一緒にいたい」「愛」を手話で表現した石膏オブジェが取り付けられました。

               

              芸術の力でしか救えないことがあると信じ、「芸術にはじかに感性に訴えることができる」と語り、

              用具や材料に対する既成概念に捉われずに多彩な表現手段を用いて制作しています。

               

              田部は1933年 台湾に生まれました。

              1950年代、前衛芸術運動が巻き起こり、関西の具体美術協会などと並び、運動を牽引したのが福岡を拠点とする九州派でした。田部と九州派との付き合いは1957年頃からで、近年、旗揚げから解散まで在籍していた田部光子の評価が進んでいます。「芸術家は進化し続けなければならない。進化するには挑戦し続けなければならない」戦後九州の女性芸術家を牽引し、現在も現代美術の第一線で旺盛な活動を続け、九州女流画家展主宰。蔵書が数千冊ある読書家でもあります。

               

              田部光子『I Love The Earth 供戮賄豕店にて展示・販売中です。ぜひご覧ください。

              https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=184

              2018.12.10 Monday

              【福岡店】 ミニコンサートを開催しました!

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                いよいよ冬到来となりました。みぞえ画廊福岡店ではついに「クリスマスアートフェア」がスタートしました。いつもご愛顧いただいておりますお客様へ、一年間の感謝を込めてご奉仕価格にて約80点の作品を展示中です。

                 

                クリスマスアートフェア

                 

                フェア開催を祝して、12月9日(日)にはオープニングイベントを開催させていただきました。メインイベントは2時からのミニコンサートでした。今回の展示の見どころの1つである織田廣喜特集にちなんで、メランコリックな少女やフランス風景の絵画を背にアコーディオンとギターを生演奏していただきました。ご出演いただいたのは、福岡を拠点に活動されているバンド“ブッカブッカ”さんです。

                 

                クリスマスアートフェア

                 

                織田廣喜の作品

                 

                よく見るとアコーディオニストの赤い帽子が、うしろの少女の絵そのままの様でつい…見とれてしまいました。

                 

                クリスマスアートフェア

                 

                織田廣喜の作品

                 

                フランスに憧れた画家の想いを、ミュゼやシャンソンの曲に乗せて演奏してくださいました。つい自然と体が揺れて、巴里の街角にいるようなムードある演奏会となりました。名曲「愛の賛歌」が終わると歓声が沸くなど、お客様の心に描く思い出や風景を照らし合わせて聴いていただいたようです。クリスマスソングあり、画廊スタッフによる織田廣喜についての作品解説やサプライズダンスもあり、より一層深く絵画に触れていただいたようです。

                ⇒過去に開催した「織田廣喜展」の記事はこちら

                 

                クリスマスアートフェア

                 

                 

                ご出演いただきましたブッカブッカのお二人さま、この度は素晴らしい演奏とパフォーマンスをありがとうございました。フランスの画家ポール・アイズピリ作 "少年像"前で記念撮影させていただきました。お二人ともまるで絵画から飛び出してきた音楽家のようでした。クリスマスアートフェアは12月25日(火)まで開催しております。みなさまのご来廊をお待ちしております。

                JUGEMテーマ:展覧会

                 

                2018.12.08 Saturday

                【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第15回は、糸園和三郎(1911年〜2001年) 

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                  JUGEMテーマ:美術鑑賞

                  みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。

                   

                  第15回は、糸園和三郎(1911年〜2001年) 

                   

                  『 牛 』 油彩F8号

                   

                  1911(明治44)年呉服商の三男として大分県中津町に生まれました。尋常小学校5年生の時に骨髄炎にかかり、手術を受けて1年遅れて小学校を卒業しましたが、病気のために進学を断念。1927(昭和2)年上京して次兄と共に大井町に住み、川端画学校に通い始めました。写実研究所で研鑽をつみ、独立美術協会展などに出品、多くの作家と交流を深めていきます。

                   

                  1931年独立展に出品、1930年代半ばからシュルレアリスムの傾向を強く受け始め、1939年福沢一郎、麻生三郎らと美術文化協会の結成に参加。

                  1945年、笹塚の家が東京大空襲にあい、郷里にあった数点をのぞいて作品を全て焼失してしました。その後、「叫ぶ子」、「鳥をとらえる女」、「鳥の壁」など、生きるものの姿を緊密な構図で描出した作品を意欲的に発表します。

                  1957年から1981年まで日大芸術学部で後進の指導にもあたり、1976年、糸園に師事した卒業生たちが「土日会」を結成して以後、糸園は同展に賛助出品しました。

                  1968年第8回現代日本美術展に、置かれたアメリカ国旗とそれを見つめる笠を被ったベトナム人を描いた「黒い水」、ベトナムの地図を配して、横たわる人を描いた「黄いろい水」を出品。「黄いろい水」はK氏賞を受賞しました。共に、象徴的に画面を横切る川が流れています。

                  1959年脳動脈瘤が見つかりますが、制作ができなくなる危険性から手術は受けず、郷里中津で一年半の療養生活を送ります。1980年代には右眼の視力をほとんど失い、晩年は左眼も衰えますが制作を続けました。

                  心に浮かんだ映像を長い時間をかけて醸成させ、キャンバスの上に写し換えるという糸園の作品は、画面から余計な対象物が排除されて深い陰影に包まれ、静謐でありながら詩情と人間の温かみを感じさせます。

                   

                  糸園和三郎 『牛』 は東京店にて展示・販売いたします。油彩・パステルなど20数点の糸園作品を所蔵しておりますが福岡店に展示中の作品もございますので、ご高覧ご希望の際はお申し付けください。

                   

                  https://mizoe-gallery.com/products/detail/1377

                  2018.12.01 Saturday

                  【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第14回は、野見山暁治(1920年(大正9年) 〜 )  

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                    JUGEMテーマ:美術鑑賞

                     

                    みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとに

                    セレクトされた取扱作家から毎週一作家、今回は2点ご紹介します。

                     

                    14回は、野見山暁治(1920年(大正9年) 〜 )  

                     

                    「丘」1973年 油彩F30号

                    2011年ブリジストン美術館「野見山暁治展」図録解説p.10  fig.3

                     

                    「か・い・だ・ん」1990年インク、グワッシュ

                    2011年ブリジストン美術館「野見山暁治展」図録Paintings No. 92

                     

                    1920年(大正9年)福岡県穂波村(現 飯塚市)に生まれ、17歳で上京。1938年東京美術学校油画科予科、翌年本科へ入学しますがアカデミックな教育に馴染めず、在学中からフォーヴィズムに強い関心を持ちます。1943年東京美術学校を繰り上げ卒業、初年兵として満州東寧に派遣されますが、肺浸潤の再発で陸軍病院に入院。内地に送還されて1945年傷痍軍人福岡療養所で終戦を迎えました。

                     

                    戦後、不安と焦燥の中で、存在するものの形を掴み取っていきたいと試行するうち、きらめいていたフォービズムへの興味は薄らいでいきました。故郷の炭鉱へ目を向けた時、人工的に造りだされ壮大な廃棄物になろうとしている無機質なボタ山、戦前は絵にならないと思っていた炭鉱風景が、その後の野見山にとって重要なモチーフになっていきました。

                     

                    1952年末渡仏、フランス各地の美術館を回り、文化に触れるうちに、色彩感覚が変わっていきます。滞欧中の1958年、ブリジストン美術館が野見山暁治を紹介する展覧会を開催し、それが第2回安井賞を受賞するきっかけとなりました。

                     

                    滞欧時代には丘や樹木を描いて静物画を思わせるような構成でしたが、帰国後に描いた風景は、空や海などを思わせる広い空間の中を、得体のしれないものがゆっくりとねじれながら動くような、不思議な気配に満たされるようになっていきました。

                     

                    1976年糸島にアトリエを構え、繰り返し描かれたモチーフとしてアトリエの階段があります。

                    「いつものようにアトリエにやってくると、今度は、壁に沿った階段が不意にそそのかしてきた。どうしてこの、斜めに走った打ちっぱなしのジグザグに今まで気づかなかったのだろう。遥かな天から降りてきた階段が、このアトリエを通りぬけて深い海に続いているように思えてきたのだ。だからこの階段に光が飛びかかっても、波がおしよせても、一向に不思議はない」

                    野見山暁二著「階段、それから海」 2003年日経新聞社

                     

                    展示中(12月2日まで)のサ・エ・ラ

                     

                    野見山暁二『サ・エ・ラ』を東京店にて展示・販売中です。東京店・福岡店には、油彩・グワッシュ・リトグラフなど多数ございますので、ご高覧ご希望の際はお申し付けください。

                    https://mizoe-gallery.com/products/list?category_id=&name=%E9%87%8E%E8%A6%8B%E5%B1%B1%E6%9A%81%E6%B2%BB

                    2018.11.24 Saturday

                    【東京店】取扱作家から毎週一作家1点ずつご紹介。 第16回は、中林忠良(1937年〜 ) 

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                      JUGEMテーマ:展覧会

                      みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週一作家、1点ご紹介します。

                      今回も今まさに活躍中の現代作家を取り上げます。

                       

                      13回は、中林忠良(1937年〜 ) 

                      『 転位‘90-地-掘塀仗紂法1992年 エッチング

                       

                      中林忠良は日本の版画界を代表する銅版画家の第一人者です。品川区に生まれ小学校入学直後、学童疎開して雪深い新潟県蒲原市で4年間を過ごした体験から、「人より自然の方に親和感をもつようになった」と後年語っています。

                      銅版画との出会いは、東京芸術大学 美術学部絵画科在学中の1961年秋。駒井哲郎の版画集中講義に出席し、駒井の作品と制作する姿に感動し、画家ヴォルスの作品に出会ったこともあり、腐食銅版画の世界へ入っていきました。

                      1973年 第四回版画グランプリ展でグランプリ受賞、ソウル国際版画ビエンナーレ国際大賞など内外で多数受賞。1975年から1年間、文部省派遣在外研究員としてパリ国立美術学校、ハンブルグ造形芸術大学で研修を受けて帰国。直後に恩師・駒井哲郎が死去し、後の「転位」シリーズにつながる「師・駒井哲郎に捧ぐ」を制作します。

                      1975年に出会った金子光晴の詩片 『すべて腐らないものはない』 に顕わされた世界観に共鳴し、銅版の腐蝕と自分を含めた全てのものの腐蝕を重ね合わせ、白と黒を基調とした二律背反の拮抗と調和を銅版腐蝕版画の技法にからめて制作するようになりました。

                      「気の遠くなるほどの長い年月をかけて大地を浸食して行く自然界の作用を、自分の掌の中に縮めてわずか数十分でイメージの画像化をくわだてる、それが自分の銅版画の仕事なのだと考えるようになった」と語っています。「Unknown Voyage(未知なる航海)」: 銅版の腐蝕という完全なコントロールや予測が難しい作業になぞらえて、アトリエの腐蝕室の扉にはこの言葉が掲げられています。

                       

                      中林忠良 『転位‘90-地-掘塀仗紂』 は東京店にて展示・販売中です。ぜひ、ご覧ください。

                       

                      中林忠良著「もう一つの彩月−絵とことば−」(2012年 冷風書房刊)

                      *白黒モノクロームの銅版画ではなく、色彩の銅板モノタイプ作品と、自然と向き合う日常を美しい文章で綴った本が出版されています。ご参考までに。 

                       

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