2018.07.21 Saturday

【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介。 第3回は、浜田知明(1917年〜2018年)

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    JUGEMテーマ:美術鑑賞

    みぞえ画廊のコンセプト:「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家一覧から毎週1作家、今回は2点ご紹介します。

     

    第3回は、浜田知明(1917年〜2018年)

     

           

    『初年兵哀歌(檻)』1978 エッチング            

     

     『群盲』1960 エッチング・アクアチント 

     

    浜田知明の代表作としてあげられるのが、1952年自由美術展に出品された『初年兵哀歌』で、その後5年あまりで『初年兵哀歌』とシリーズ名が題された():みぞえ画廊在庫作品や(風景)(歩哨)(黄土地帯)など15点が発表されます。

     

    東京美術学校を卒業後、193921歳で現役兵として入隊。翌年中国に派兵され、194325歳兵役満期で除隊。再び1944年応召、伊豆七島、新島に派遣され終戦で除隊復員します。

    荒廃した中国の戦地に自身が一兵卒として身を晒し、多くの不条理、人間の醜さ、悲惨さ、死と向きあった過酷な体験を、軍務につきながらスケッチに残しました。

     

    版画家として世に出るまでは、東京美術学校で油彩を学んでいましたが、戦地での素描がその後の銅版画制作につながっていきました。

    戦争の傷、心の痛みを抱えながらも、人間の優しさや尊厳を失わず表現された《初年兵哀歌》は、観る者の心に深く刻まれます。思わず目をそむけたくなる緊張感、長く凝視できないと感じながらいったいこれは何なのだ、という疑問が沸き、問いかけられます。軍隊、戦争への抗議が伝わります。

     

    1964年渡欧するまでに、1957年『狂った男』、1960年『群盲』など25点が制作されました。

    その頃、新安保条約と高度成長策、キューバ危機があり、東西の冷戦の激化が進み、作品にはその危機感が反映され、日本社会の変貌への厳しい批判が、風刺として表現されています。

     

    版画、油彩だけでなくブロンズ彫刻も試み、『初年兵哀歌(檻)』のモチーフは1963『檻』と題したブロンズ彫刻になりました。今年3月、「浜田知明100年のまなざし」と題した展覧会が町田市立国際版画美術館で開催され、所蔵品から銅版画90点、彫刻4点が紹介されました。

     

    『初年兵哀歌(檻)』を含む2作品を東京店にて展示・販売中です。ぜひ、ご覧ください。

    *《群盲》は福岡店にてご覧いただけます。https://mizoe-gallery.com/products/detail/1570

     

    浜田知明先生は717日逝去されました。100歳でした。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

    2018.07.15 Sunday

    リトグラフに関する話題です。

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      JUGEMテーマ:美術鑑賞

       

      現在、武蔵野美術大学美術館(小平市)で《リトグラフ 石のまわりで》と題する展覧会が開かれています。

      会期 〜810日及び818日、19

       

      リトグラフは、木版、銅板のように版面を彫ることはせず、石版石の表面に油性インクで描画して、紙に転写する化学変化を利用した印刷技法です。

      18世紀末、アロイス・ゼネフェルダーは、メモを取ろうと石灰岩に油性インクで書いて、後に硝酸で洗い落とそうとしたところ、クレヨンが残ってしまったという偶然から研究、発展させてリトグラフの技法を開発しました。更にプレス機を作り、紙への転写方法を発明しました。

      しかし石は持ち運びには重いため、のちにジンク版やアルミニウム版が使用されるようになります。

      描くだけで版画ができることから、多様な表現を生み出す方法として多くの画家がリトグラフで制作をしています。

       

      今回、武蔵野美術大学教員によるリトグラフの描画、製版、刷りの公開制作があり、見学してきました。

        

      刷りの時は、水を絶やさずに油性インクをつけたローラーを転がして描画部分にのみインクを付け、紙を乗せて圧をかけて印刷します。刷った版画用紙は、乾かすためにクリップで留めて下げてありました。

      大学ホームページに、赤塚祐二先生、丸山直文先生など制作者と刷りの様子、今後の制作日が載っています。

       

      みぞえ画廊ではこれまでにピカソ、マティスなどのリトグラフを取り扱ってきました。

        

      ピカソ『花のコサージュの女性』        マティス『十人の踊り子シリーズ』

       

      あらたなリトグラフ作品が入荷しましたら、随時ご紹介いたしますのでご期待ください。

      2018.07.13 Friday

      【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介。 第2回は、熊谷守一(1880年〜1970年)。

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        JUGEMテーマ:美術鑑賞

         

        【東京店】みぞえ画廊のコンセプト「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。

         

        第2回は、熊谷守一(1880年〜1970年)

         

        『 猫 』 紙に水墨淡彩 398x494mm 軸装

         

        201712月〜20183、東京国立近代美術館で「生きるよろこび」と題した熊谷守一の大規模な展覧会が開催されました。『雨滴』、『猫』など代表作を含む200点以上が展示され、ご覧になられた方もいらっしゃるでしょう。

        また、妻と暮らす晩年の守一の日常を、淡々とユーモラスに描いた映画「モリのいる場所」が現在、各地で上映され、あらためて熊谷守一が注目されています。

         

        熊谷守一といえば、まず思い浮かぶのは、まるで小学生が描いたような輪郭線と、その線を残して一方向に絵具を置いた簡潔で鮮やかな表現の油彩画ですが、他に水墨淡彩の作品も多く描きました。

         

        守一は猫を飼っていました。いつもスケッチができるように鉛筆とスケッチ帳を腰の袋に入れ、庭で目にした様々な虫たちや草花、猫の姿を素早くスケッチし、白仔猫、くろ猫、三毛猫、眠り猫、斑猫などの個性的な作品が生み出されました。この『は、座布団の上に蹲って何とも気持ちよさそうにすやすやと眠っています。猫にとって居心地の良い家だったのでしょう。眺めている守一にも、穏やかな時間が流れていたのではないでしょうか。

         

        熊谷守一『 猫 』を東京店にて展示中です。ぜひ、ご覧ください。

        2018.07.07 Saturday

        【東京店】取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。 第1回は、長谷川利行(1891年〜1940年)

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          JUGEMテーマ:美術鑑賞

           

          【東京店】みぞえ画廊のコンセプト「流行や時代に左右されない、上質な作品、作家を提供」をもとにセレクトされた取扱作家から毎週1作家一点ずつご紹介していきます。

           

          1回は、長谷川利行(1891年〜1940年)

          「麦酒工場」油彩F10

          この作品は長谷川利行の画集や展覧会図録にも掲載されています。

           

          府中市美術館では「長谷川利行展 七色の東京」(78日まで)が開催されています。

          1923年(大正12年)「田端変電所」から1939年(昭和14年)「男の顔(自画像)」までの代表作を含む約140点が紹介されています。

           

          長谷川利行は30歳頃に京都から上京し、昭和初期の東京下町を転々と歩き回り、荒川の煙突、隅田川や浅草風景、銀座のカフェ、変電所、車庫、駅など鉄道をモチーフにし、遊園地、身近な人々などを描き続けました。上京後、二科展に出品して入選し、徐々に評価されていきます。独学と思われる自由な筆致で、明るく鮮やかに描き、放浪と窮乏生活の末に壮絶な49年の人生を終えたとは想像できないほど、力強くいきいきとした作品の数々です。

           

          長谷川利行「麦酒工場」東京店にて展示中です。ぜひ、ご覧ください。

          https://mizoe-gallery.com/products/detail/1926

           

          2011.10.29 Saturday

          野見山暁治さんリトグラフ展示中です。

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            nomiyama].jpg

            現在常設展では石橋美術館での大きな個展を終えられたばかりの野見山暁治さんの
            リトグラフ版画集「on y va」、「sa et la」のうちから数点を展示中です。
            油彩画では自由奔放でエネルギーに溢れた絵画世界を展開されていましたが、
            版画では少し引き算されたように、空白にのびのびとしたタッチが浮かび上がります。

            版画集『オ・ニ・バ』(1988年)より
            「リトグラフィの準備に、これほど時間をつぶしたのは初めてだが、
            それは結果的にあまり感心したことではない。下描きの水彩画がもたらす
            効果を容易に捨てきれず、東京に戻ってから、月が変っても、
            ただの一枚も刷りあがらない始末だった。
             ある形というか、いわば下着からネクタイまでをひっくるめて、
            ひとつの縫いぐるみを作ろうと、せっかち過ぎたのはわかっている。
             油絵とは違うのだ。リトグラフィは、下着、シャツ、ネクタイ、
            スーツと順序通り着込んで、ようやく外を歩ける。ズボラなぼくには厄介な手順だ。
             中途で投げださなかったのは、スーツを着たままで下着を脱いだり、
            シャツの色を随時、とり替えることの出来る気軽さにあった。
            なんと爽やかなヘンシンだろう。
             日を追って下描きから少しずつ遠ざかってゆく。
            気まぐれ屋のぼくは着せ替え人形の面白さに、のめりこんだ。
            今から始まるのだったら、もっともっと遠くまで行けるだろう。
            日ごろ油絵具をべたべた塗りこんでいるぼくにとって、リトグラフィというのは
            逆になにもかも脱ぎすててゆく楽しさだ。」

            68歳頃の文章でしょうか、こちらからも柔軟で身軽な姿勢が伺えます。

            次回企画展の出品作家のお一人です。

            「開廊3周年特別展・生誕100周年 糸園和三郎とその仲間たち展」
            2011年11月3日(木)〜23日(水)
            主な出品作家
            梅原龍三郎・麻生三郎・山口 薫・脇田 和・牛島憲之・香月泰男・森 芳雄・野見山暁治
            ●特別展示 櫻井孝美


            2Fの特別展も鮮やかな展示になることでしょう。
            どうぞ足をお運びください。
            2011.03.11 Friday

            常設展のご案内

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              新生活、新入生・・・・春はいろいろと新しい出会いや出来事があったりして、ワクワクしますね。

              大きなニュースの一つは、12日より九州新幹線全線開通!ですね^^

              それを記念して、10日午前、JR博多駅の新幹線改札口内に巨大ステンドグラスが設置されました。
              制作したのは、福岡県穂波町(現在は飯塚市)出身の洋画家、野見山暁治さん(91)。明治神宮前駅 B1F 神宮前交差点方面改札にも、同氏の制作したステンドグラスがあります。こちらは、油絵の原画に始まり、ガラスに直接自ら絵付けを施したそうですが、
              今回も同じ手法なのでしょうか・・・?写真から見るに、通りを歩く人に直感的に訴えて来そうな強烈なタッチですね。

              さて、そんな野見山暁治先生の作品を、現在常設展にて公開中です^^
              1962風景1.jpg
              変形6号

              入場無料ですので、お気軽にどうぞ・・・

              ---------------------スタッフ・あかり
              2011.02.28 Monday

              常設展のご案内

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                日中は春めいてきて、ついつい薄着になってしまいますね。
                思いがけず冷たい風に当てられることもしばしば。
                あと少しで春ですね。

                さて、3月の企画展まで、画廊では常設展を開催中です。
                その中の一つをご紹介いたします。

                n2010kasai.jpg
                葛西 四雄 「北の海」 F10号

                葛西四雄氏は漁村風景や海景色を描く、青森県出身の画家です。
                卓越した描写力に裏付けされた荒々しいタッチが、「実感」のこもった北国の海を形作っています。
                ナイフで描かれたと思われる部分は、厚塗りした絵具の色と色が混ざり合いながらキャンバスに延され、生々しい筆致でそれぞれのモチーフが鮮烈に印象付けられます。
                思わず近づいてじっと見たり、遠くから眺めたりと、鑑賞者を惹きつける作品です。

                葛西四雄(かさい よつお、1925年(大正14)〜1990年(平成2))
                青森師範学校中退
                昭和33年、示現会に出品(以降毎年)
                昭和46年、日展で「北の漁村」、53年に「北の浜」で特選受賞

                是非会場に足を運ばれてくださいね^^
                スタッフ・あかり
                2011.01.29 Saturday

                常設展のご案内&2月の写真展関連のイベント追加のお知らせ

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                  現在展示中の作品を一つご紹介いたします。

                  健康作品(※四隅に鉄?)1.jpg
                  「健康作品」田部光子  30×30cm
                     
                  金箔・真鍮を使用した、エネルギッシュな作品。
                  贅沢なまでの色遣いでありながら、嫌味がなくモダンに仕上がっており、
                  若い方にも大変好評です。
                  下部には「An apple a day keeps the doctor away(一日一個のリンゴは医者を遠ざける)」
                  とエッチングでレタリングされています。
                  こういった様々な思想や哲学をこめた林檎のモチーフには、もう半世紀ほども継続して取り組まれています。
                  ご本人にもお会いできましたが、77歳とは思えないほどお若いのです。
                  美術に関するお話もとめどなく、まるで制作からエネルギーを得ているようなお方です。
                  是非、足を運ばれた際には、この作品のパワーを浴びて頂きたいです^^


                  さて、2月11日より開催いたします、写真展「ハイチから、明日へ」−ハイチ大地震の記録−では、イベントを追加しました。学生のみなさん、必見です!

                  ■NGO相談会「国際協力Q&A」も開催します
                  難民を助ける会の堀越芳乃が、国際NGOに関する皆さまの質問に個別にお答えします。
                  NGOってそもそも何?働いている人はボランティアなの?NGOに就職して海外で働きたいんだけど…など、
                  日頃の疑問を解消するチャンスです。12日は特に学生さんの参加を大歓迎!
                  申し込み等は不要ですので、お気軽に話しかけてください。
                  ・難民を助ける会は外務省の委嘱により「NGO相談員」を務めています。
                  |2月11日|17:00-18:30
                  |2月12日|10:00-12:30(学生さん大歓迎)
                  2010.11.02 Tuesday

                  常設展のご案内

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                    陽が落ちるのが早くなりましたね。冬が来る前に、秋の楽しみを堪能したいです(*^^*)

                    常設展のご案内をさせて頂きます。

                    img_000374_01.jpg
                    画家とモデル F20 油彩/C・ワイズバッシュ

                    モデルさんと、こちらを見ている画家さん。
                    モデルがいるときは、そちらを見ながら絵を描くのが普通でしょうから、モデルさんは休憩中なのでしょうか。その間にも自分(?)をモデルに絵を描いてしまうのですから、とにかく絵を描きたくてしょうがないのかもしれませんね。
                    線が踊っているような、ラフなタッチ。

                    クロード・ワイズバッシュは、音楽家・演劇・歴史上のエピソード等をテーマとし、鋭く走る線とシンプルな色彩で画面を彩るフランスの画家です。
                    こちらは画家の生活のワンシーンのような、珍しい一枚なのかもしれません。

                    常設展にて展示中でございます。お散歩がてらにどうぞいらしてくださいね^^
                    (木曜定休ですのでお気をつけて)

                    -------------------------------スタッフ・あかり
                    2010.07.19 Monday

                    常設展のご案内/吉村芳生展まであと4日!

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                      暑さが日ごとに強くなってきました。夏バテにならないようにしたいですね。


                      常設展のご案内をいたします。
                      現在展示しているなかの一つ、中村正義の作品です。
                      中村・風景1.jpg
                      「風景」
                      日本画
                      523×676 cm
                      中村 正義

                      一見して油彩画のような印象を受けますが、岩絵の具を用いた日本画です。

                      中村正義さんは、「速水御舟の再来」と謳われるほどの見事な日本画を描いていましたが、
                      4年にわたる療養生活の末に、このように荒々しい筆致へと画風を変貌させていきます。
                      また、ボンドや蛍光塗料などの異素材を用い、独特の表現を追求しました。

                      中村正義さんは若くして新日展の審査員に選ばれましたが、一年ほどで脱退し、闘病生活を続けながら個展を中心とした発表を続けました。
                      その後発行された著書『創造は醜なり』(中村正義 著/美術出版社)では、「大人の中に、自身の傷つくことをいとわない人間が出てこなくてはいけない。」と語られており、現実を直視して理想を追う作家の姿勢が伺えます。
                      それでも、「師の壁画の仕事を手伝ったときは好き勝手に描いてしまうので、すぐに手伝いを断られた」というエピソードを聞くと、反骨精神以前に少しヤンチャな気質が見えるような気がして、親しみが湧きます。

                      中村正義さんの甥のかたは、東京で画廊をされていたのですが、奥様がお店にいらした時、この作品を見て「中村の一番いい時代の力のある作品です」と大変喜ばれていました。
                      しみじみと、感慨深く作品を眺めてられました。

                      中村正義さん、日展を脱退した翌年から毎日向かったといわれる自画像のシリーズも、かなり鮮烈です。

                      自画像と言えば・・・・・・!!

                      7月23日から始まる企画展「吉村芳生展」でも、作家が毎日描くという自画像が展示される予定です。
                      自画像1.jpg
                      「新聞と自画像シリーズ」
                      紙・鉛筆
                      吉村芳生

                      吉村さんはどのような想いで、こういった制作方法に辿り着いたのでしょう?
                      7月24日には、作家本人によるギャラリートークもございます。
                      是非足を運ばれてください^^

                      「色鉛筆で描く花の世界 吉村芳生 展」
                      --------------------スタッフ・あかり
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